平成22年度市政執行方針

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市政執行方針(平成22年第1回紋別市議会定例会)

平成22年第1回紋別市議会定例会の開会にあたり、私の市政に対する執行方針を申し上げ、議員の皆さん並びに市民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

昨年、政権選択を最大の争点とした衆議院議員総選挙により、民主党を中心とした三党連立の鳩山内閣が誕生いたしました。
新政権は、「コンクリートから人へ」、「人間のための経済」といった理念のもと、公共事業依存型から暮らしの安心を支える分野へ、また、中央集権型体制から地域主権型社会の実現に向けた施策を展開し、政治経済社会の構造や枠組みの転換を目指すとしております。
地方の一員として、「地域の個性を育み、多様性が尊重される真の地域主権の樹立」と言える制度設計が着実に進められるよう、積極的に提言していかなければならないと考えております。

同時に、私たち自身の取組も、可能な限り自らの可能性や潜在力を発揮できるよう創意工夫し、さらに前進させなければなりません。
私たちは、これまで以上に行政コストの縮減に知恵を絞りながら、個別事業の検証による「選択と集中」を徹底し、財政規律を遵守しながら、地域にとって必要な社会資本を着実に整備するとともに、持続可能な産業基盤や社会サービス基盤を構築し、責任を持って次世代に引き継いでいかなければなりません。

このため、本年度の施策や事業を、緊急に実施するもの、地域の活性化に結びつくもの、未来への投資となるものとし、「安全・安心」もんべつ産品づくりプランなど、第五次紋別市総合計画における先導的プランの展開方針に基づき、それぞれの分野施策を有機的・横断的に連携させ展開することにより、総合的な効果が発揮できるよう、優先度や時機を見極め、計画的に実施してまいりたいと考えております。

第一に、「緊急に実施するもの」として、市民生活に重大な影響を及ぼす課題への重点的対策であります。
昨年八月の休日夜間急病センター開設以降、市民の皆さんと関係者の方々のご理解・ご協力により、一次救急に対する不安解消に一歩前進できたところでありますが、私は、センターの運営現場を通して、「安心・しあわせは医療からはじまる」という思いを一層強くいたしました。
このため、地域で完結できる二次医療機能の再生や休日夜間急病センター機能の拡充など、地域医療の確保・充実に向けた対策に最優先で取り組み、一日も早く、命を守る環境が築き上げられるよう、全力を傾注してまいります。

第二に、「地域の活性化」として、まちの自立的発展を支え、暮らしの充実に大きな役割を果たす産業分野への支援であります。
地域の活力の基盤は産業であります。基幹産業である農林水産業が「地域の個性・強み」として、持続的に振興していくよう、行政は強く後押ししていく必要があります。
また、漁業関係者待望の高度衛生管理型卸売市場や、ものづくり体験工場を併設した水産加工店舗が完成するなど、観光と紋別産品が結びついたビジネス展開やウォーターフロント機能を有する新たな観光資源としての可能性が高まっております。
さらに、市民交流や交流拡大プロジェクトなどによる「みなと森と水サミット」を契機に、東京都港区の再開発事業における公共施設等の木材利用の提案をはじめ紋別の水産物の紹介・販売にも広がりを見せつつあります。
このため、環境と産業の融和を基本的な視点としながら、地域資源を総動員して、各産業分野が相乗効果を発揮し、ともに振興していく仕組みを構築していきたいと考えております。

第三に、「未来への投資」として、良質な社会資本の継承と人づくりであります。
高規格幹線道路旭川・紋別自動車道をはじめ空港、港湾などの社会資本は、高次医療搬送を支える「命のみち」、物流を支える「産業のみち」、観光振興などを支える「交流拡大のみち」であり、何より市民の皆さんが「将来の希望をつなぐみち」であると強く感じております。
また、ライフラインである上下水道をはじめ、生活道路やごみ処理施設などは、市民生活上欠かすことのできない都市基盤として、効率的かつ計画的な整備に努め、今を生きる私たちから将来の紋別市民に至る「受益と負担」のバランスを十分見極め、大切な地域の財産として継承していく責務があると考えております。

「流氷と大地の恵みを活かし人が輝き躍動するまちもんべつ」、この第5次紋別市総合計画の都市像、すなわち私たちの求めるまちの姿、生き生きとした地域社会の姿を想像してみましょう。
「豊かでかけがえのない自然環境が守られ、自然の恵みと人々の知恵で育まれた農林水産物や個性あふれる営みにより、このまちで暮らす市民が自信と希望に満ちあふれ、頼もしく輝いている、そして、共感し合い支え合う場が家庭や職場、地域で出来上がっている。」
私は、そのようなもんべつを築き上げ、次世代に引き継いでいきたいと考えております。

そのために最も重要なもの、それは人づくりであります。
また、人づくりは、同時に自らの生きがいづくりでもあり、周囲の人々を大切にし、思いやる心が育まれ、共に支え合う社会の構築に繋がっていくと私は信じております。
このため、あらゆる機会を通じて学び合い、教え合い、お互いにその能力を発揮し、成長し合う人づくりに取り組み、道路や公共施設といったモノの社会資本とともに、知恵や生き方までも次世代につないでいくことが必要であります。

かつて私は、『一人ひとりが、これまでの役割にとらわれることなく、もっとたくさんの役割にチャレンジし、一人ひとりが自らの可能性を広げていっていただきたい』と申し上げました。
私も市民の皆さんの先頭に立ち、次世代への引き渡し手として、ふるさとを未来に導き、一人ひとりが希望と感動を共有するまちづくりを実現するため、本年をあらゆる面においてチャレンジの一年にしたいと思っております。
是非、市民の皆さんも、まちのため、家族のため、自分のためのチャレンジをお願いいたします。

以下、本年度の主要な施策の概要を第五次紋別市総合計画のまちづくりの基本目標に沿って、申し上げます。

第一に「確かな産業を育てるまちづくり」であります。

未来に継続できる産業の基盤づくりと活発な産業活動が展開されるまちづくりを目指し、紋別の個性であり強みである各産業の生産基盤を整備するとともに、市場ニーズに対応し、環境と共生する産業の確立に向けた取組を展開いたします。

農業につきましては、引き続き道営草地整備改良事業に取り組むほか、本年から第3期となる中山間地域等直接支払事業、郊外集乳路線にかかる農道整備事業および国道渚滑橋水道管移設などを実施し、生産性の高い農業基盤の強化を図ってまいります。
また、酪農家の経営体質の強化を図るため、本年度完了予定の乳牛ほ育・育成預託牧場建設事業に補助するなど、「一貫ほ育・育成預託システム」の確立に支援してまいります。

林業につきましては、道営林道整備事業により、森林管理道弥生第2線の整備を進め、間伐等適切な森林施業の推進に努めてまいります。
森林認証の取組といたしましては、一般民有林の認証取得に支援するほか、認証材の地元消費促進のため、認証材モデル施設として休日夜間急病センター医師住宅を建設するとともに、一般住宅建設に対する補助制度を創設いたします。
また、新たに「みなと森と水ネットワーク連携推進事業」として、地域の認証材や水産品など、当市の優れた地域資源を都市部へ供給する体制づくりに取り組んでまいります。
今後とも、日本最大の森林認証エリアを有する森林・林業再生のトップランナーとして、環境と共生する産業づくりを推進してまいります。

水産業につきましては、経営基盤の強化施策として、漁船、漁具等の整備資金借入れに係る漁業近代化資金の利子補給を継続するほか、新たに流通等改善施設整備事業として、漁業協同組合が行うホタテ貝の冷凍能力をアップするためのトンネルフリーザー更新事業に支援してまいります。

水産加工業につきましては、安全・安心な食品づくりを推進し、消費流通対策の一層の強化を図るため、ハサップ準拠の施設改修・衛生管理設備等の導入や水産製品検査センターに、引き続き支援してまいります。

商業等につきましては、イベントや空き地空き店舗の活用および市商連が行う組合員指導や人材育成に引き続き支援するとともに、本年7月に本市で開催される全道商工会議所大会に支援いたします。
また、市内中小企業の経営環境の悪化に対応するため、一昨年、運転資金等貸付制度の拡充をいたしましたが、本年度も継続するとともに、店舗新増改築工事等への支援を引き続き行ってまいります。
中心市街地の活性化につきましては、昨年実施した「紋別市中央地区まちづくり基本調査」および現在の「中心市街地活性化基本計画」の検証に基づき、基本構想づくりを進めてまいります。
このほか、紋別産品ブランド化推進事業では、地域資源を活用した新商品の開発や安全・安心なオホーツク紋別ブランド商品ガイドブックづくり等の取組に支援し、推進体制の充実を図ってまいります。

企業誘致・新産業につきましては、企業立地促進法に基づき、産業集積の形成・活性化を目指す遠紋広域での基本計画を策定するとともに、企業立地にかかる申請や届出、相談等が円滑に進むよう各種制度の周知や窓口の充実を図ってまいります。
道都大学紋別キャンパス跡地につきましては、当市の特性や既存施設を生かせる業種・企業への誘致に加え、選択肢の幅を広げるため、分割譲渡などにつきましても検討を行ってまいります。

観光につきましては、従来の施策・事業を見直し、交流拡大プロジェクトや空港利用など関連分野と横断的に取り組んでまいります。
また、観光協会との密接な連携体制のもと、各種メディア広告、エージェント対策などの観光宣伝事業や、港まつりをはじめとするイベント事業をより一体的・効果的に展開してまいります。
このほか、新たに「観光資源発掘事業」として、三室番屋の船蔵復元などに支援するほか、鴻之舞鉱山やコムケ湖など、地域の新たな魅力の掘り起こしや発信に努めてまいります。

雇用につきましては、新たに創設された「重点分野雇用創造事業」を含め、引き続き、緊急雇用創出推進事業を実施するとともに、ふるさと雇用再生特別対策推進事業に取り組むほか、雇用開発及びUターン促進事業、西紋地域通年雇用促進支援事業等を通じてセミナーや職業相談、技能講習等を実施し、通年雇用化を推進してまいります。

第二に、「安心して健やかに暮らせるまちづくり」であります。

市民の皆さんが明るい未来を描いてこのまちに暮らし続けるには、健康や生活を支える保健、福祉が充実し、適切な医療が安心して受けられるとともに、子どもたちが健全に育まれ、高齢者や障害者が生きがいを持って暮らせる地域づくりが必要であります。
このため、保健・医療・福祉が相互に連携し、補完する仕組みづくりとして、「安心しあわせプラン」を推進してまいります。
特に、「医療」は、連携の核として位置付けられることから、地域医療体制の充実・確保に引き続き取り組んでまいります。

二次医療につきましては、北海道との協議を進めておりますが、地域の医療需要に対応できる機能再生のため、全力で取り組むとともに、医師や医療従事者確保対策として、道立紋別病院医師に対する研究資金の貸与や看護学生への奨学金の貸付、札幌医科大学が行う地域密着型医療実習の受入を引き続き実施いたします。
また、休日夜間急病センターにおきましては、救急患者の医療確保充実のため、診療日数を拡大するとともに、コールトリアージの実施や「命のバトン救急キット」の配付などを通じて、救急医療に対する市民の理解を深めてまいります。

地域福祉につきましては、現在、アドバイザーの助言を受けながら、「紋別市地域福祉計画」の見直しを行い、地域福祉の役割と保健・医療との連携の指針づくりを進めております。
引き続き、「安心しあわせプラン」の実現に向け、アドバイザーを設置するとともに、市民意識調査やフォーラム、各種ワークショップの開催のほか、新たに設置する外部評価委員会による評価や指導を受け、市民とともに学び、考え、築き上げていく体制を整備してまいります。
このほか、社会福祉協議会を中心に各団体が連携した地域ネットワークづくりを推進するとともに、昨年完成したまちなか道営住宅内の「ふれあいサロン」を生かし、世代間の交流促進や障害者の就労機会の充実に努めてまいります。

子育て支援・児童母子等福祉につきましては、平成23年度開設が予定されている「幼保連携型」認定こども園の施設整備に支援するとともに、次世代育成支援行動計画の中間見直しに伴い、子育て支援センター機能の充実強化方策の検討を行ってまいります。
また、乳幼児医療給付拡大事業を継続し、子育て家庭の家計負担の軽減を図ります。なお、子ども手当給付事業につきましては、今後、国から示される関係法令および事務処理要領等に基づき、遺漏のないよう適切に対応してまいります。

障害者福祉につきましては、重度心身障害者の通院と社会参加を促進するため、交通費助成を行うとともに、障害者からの相談や各種サービスの紹介につきましては、相談業務の受託事業者をはじめ民生委員、保健所等、関係機関の相互連携強化に努めてまいります。
このほか、7月に本市で開催される北海道手をつなぐ育成会全道大会に支援いたします。

高齢者福祉につきましては、利用者ニーズ等を踏まえ、現在実施している寝たきり高齢者移送サービス事業を社会福祉協議会が行う福祉有償運送事業へと転換し、市外移送や医療機関移送以外の移送にも対応するなど、利便性の向上を図ってまいります。
また、いきがい型デイサービスなどの高齢者いきがい生活支援事業を継続するほか、地域ネットワーク推進事業では、高齢者等の安否確認および相談支援に加え、新たに地図を活用した災害図上訓練(DIG)に助成し、地域での支え合いを促進してまいります。
高齢者等の通院等交通費助成として実施している「100円バス」は、おおむね分かりやすく利用しやすいとの評価をいただいており、タクシー助成とともに継続実施をしてまいります。

保健・健康づくりにつきましては、昨年度拡充した妊婦健康診査事業を継続するとともに、子宮がん・乳がんの節目検診への全額助成により、女性特有のがん検診の受診率の向上を図るほか、引き続き肺炎球菌ワクチン接種費用の一部を助成し、高齢者の感染症予防の推進を図ってまいります。

国民健康保険事業につきましては、実質単年度収支では赤字決算が続いていることから、国保財政の健全化を図るため、賦課限度額の引上げを行うとともに、収納対策の充実強化に努めてまいります。
また、特定健診事業につきましては、これまでの取組のほか、がん検診と併せた集団健診や商工会議所健診との連携により、被保険者が受診しやすい環境を整え、受診率の向上を図ってまいります。

後期高齢者医療制度につきましては、本年が保険料の改定年であり、保険料の引上げを実施することとなりますが、被保険者に混乱が起きないよう十分な周知を図り、円滑な運営に努めてまいります。

介護保険制度につきましては、本年が平成21年度から3ヵ年で実施する第4期介護保険事業計画の中間年にあたることから、引き続き要介護者等が安心して適切な介護が受けられるよう、地域包括支援センター機能やサービス提供体制の充実と円滑な事業運営に努めてまいります。

第三に、「快適な環境で暮らせるまちづくり」であります。

市民が快適な生活環境のもと暮らせるよう地域特性を踏まえた社会基盤の整備を進めるとともに交通事故や災害が少ない安全安心な暮らしの確保に努めてまいります。
また、循環型社会を形成するため4Rを推進するなど自然環境の保護・保全と環境に配慮した安全で快適なまちづくりに取り組んでまいります。

住環境につきましては、新たに市内建築物の耐震改修の実施に関する目標や優先的に耐震化すべき建築物などを定める耐震改修促進計画を策定してまいります。

公営住宅につきましては、昨年に引き続き市営大山団地6棟20戸を建設いたします。なお、民間借上方式による整備につきましては、現在策定中の「既存公営住宅長寿命化計画」をはじめ、経済情勢や公営住宅政策にかかる制度変更などを踏まえながら、市の直接建設手法の採用についても検討してまいります。
また、新たに市営住宅の全戸に火災警報器を設置いたします。

生活道路につきましては、新たに落石第47号線改良舗装および大山公営住宅関連市道整備に着手するほか、引き続きまちなか歩道整備事業として、本年度は5丁目線を整備いたします。
また、市道改修事業において、未舗装道路の舗装や劣化舗装改修、道路排水整備を計画的に進めてまいります。

河川につきましては、元新1号川の河床捨石、草刈等、市内小河川の適正管理を行い、氾濫の防止に努めるほか、渚滑川の整備につきましては、国の渚滑川水系河川整備計画に基づく事業推進を引き続き要請してまいります。

上水道につきましては、配水管の布設、老朽管の布設替の計画的な整備に努めるとともに、新たに、上渚滑簡易水道の導水管老朽化に伴う緊急対応措置として、既存施設を活用した緊急連絡管布設事業に着手し、豊かで良質な水資源の確保と安全な水の供給に努めてまいります。

下水道・生活排水処理につきましては、アクアセンターの脱臭設備、マンホール蓋改築工事など、計画的な整備を進めるとともに、新たに長寿命化計画の策定に着手し、施設設備の効率的更新を図ってまいります。なお、平成22年度から10ヵ年の整備方針を定める「下水道中期ビジョン」により、健全で持続可能な事業経営を目指してまいります。
また、合併処理浄化槽設置推進事業を拡充し、本年度から単独浄化槽撤去費用につきましても補助対象といたします。

交通安全につきましては、交通安全運動推進協議会を中心として、関係機関・団体が一体となり、地域全体で交通事故防止に取り組むとともに、まちなか歩道整備事業や計画的な市道維持改修等により、誰もが安心して歩行できる空間づくりを進めてまいります。
また、高齢者世帯への訪問啓発に取り組み、夜光反射材着用運動の推進を図ってまいります。

防災につきましては、本年度から年次的に避難場所標識を設置するほか、災害図上訓練(DIG)の普及啓発に努めるとともに、本年本市で開催される北海道防災総合訓練を通じて、防災意識の高揚と地域ぐるみでの防災力の向上を目指してまいります。

海岸保全対策につきましては、北浜地区の護岸改良整備を進めるほか、林野庁が進めております元紋別地区の防潮治山工事につきましては、緩傾斜護岸工事により事業が進められるよう、引き続き国に要請してまいります。

消防・救急につきましては、救急車積載の半自動体外式除細動器を更新するほか、老朽化した既存消火栓を計画的に更新してまいります。
また、救急救命士の資質向上や医療機関との連携・協力など、救命体制の充実に努めるとともに、AEDなどの市民向け講習会を積極的に開催してまいります。

防犯・消費生活につきましては、悪質商法や巧妙化する詐欺手口に対応するため、4月から稼動する全国の消費生活相談情報を集約した「パイオネット」を活用し、情報の提供を行うとともに、紋別消費者被害防止ネットワークによる広報や講習会、出前講座等により、市民周知・啓発と相談体制の充実を図り、地域ぐるみで犯罪のないまちを目指します。

自然環境につきましては、恵み豊かな環境を保全し、市民の貴重な財産として、将来の世代に引き継いでいくため、行政・事業者・市民の権利と責務を明確化し、総合的推進を図る「紋別市環境基本条例」を本年度中に制定し、条例の理念実現に向けた「環境基本計画」の策定準備を進めてまいります。
また、環境衛生につきましては、もんべつ美しいまちづくり推進事業により、美化サポート事業やエコスクール、簡易包装推進PR活動などに引き続き支援してまいります。

公園・緑地につきましては、既存公園の計画的な施設更新を図るため、公園再整備事業に着手し、本年度は紋別公園のトイレ・管理棟の実施設計などを進めてまいります。
また、道立オホーツク流氷公園につきましては、平成25年度全面開園を目指し、整備が進められておりますが、紋別市施行エリアの平成23年度供用開始に向け、花のサロンをはじめ、園路、花壇、駐車場などを整備してまいります。

廃棄物処理につきましては、4市町村の広域による一般廃棄物処理体制の整備を進めているところでありますが、本年度は、敷地造成及び施設の実施設計に着手し、平成24年度中の供用開始を目指してまいります。
このほか、現最終処分場に搬入する一般ごみの監視指導を徹底し、引き続きごみの減量化運動を推進するほか、新たな廃棄物処理体制に応じたごみの分別方法などについて、4市町村による協議を進めてまいります。

第四に、「いきいきと学び続けるまちづくり」であります。

未来を担う子ども達の健やかな成長を支えるため、郷土への誇りと人を思いやるやさしさを持ち、生きる力と生涯にわたって学び続ける意欲を持つ教育を推進するとともに、すべての市民がそれぞれのニーズに応じて、自主的に学習活動やスポーツ活動を楽しみ、地域の個性を生かした豊かな市民文化が創造されるまちづくりに取り組んでまいります。

幼児教育につきましては、ブックスタート事業により、7ヶ月検診時に本の読み聞かせと絵本の配布を実施しているところでありますが、平成22年度からの後期次世代育成支援計画を踏まえ、家庭教育等の充実強化を図ってまいります。

義務教育につきましては、上渚滑小学校のボイラー更新を行うとともに、紋別小学校の学校給食設備の更新を図り、児童生徒が快適に学べる教育環境の整備に努めてまいります。

特別支援教育につきましては、対象児童数に応じ、支援員を引き続き小中学校に配置し、きめ細かな教育体制づくりに努めてまいります。

生涯学習につきましては、市民が生涯にわたり希望する学習に取り組めるよう、市民ニーズに応じた市民講座を開設するなど、引き続き多様な生涯学習機会の充実に取り組むとともに、文化会館正面玄関の自動ドアの改修を行うなど、計画的な施設整備に努めてまいります。

青少年活動につきましては、夏休み子ども水泳交流事業として、中渚滑方面及び沼の上方面から健康プールステアまでの児童無料送迎を引き続き実施し、夏休み期間中の子ども達の安全な居場所づくり、健康づくりの確保に努めてまいります。

芸術・文化につきましては、優れた芸術文化事業の招聘及び市内の芸術文化団体等の育成と普及振興を図るため、紋別市芸術文化機構「ホットランドオホーツク」の活動に支援するととともに、音楽合宿誘致事業として、全国の中学・高校生及び大学生を対象とした「オホーツク紋別音楽セミナー」の開催に支援してまいります。
また、博物館特別展・企画展開催事業として、市民をはじめ、地元に関わりのある芸術家、工芸家等による芸術作品や収蔵品の展示会などを開催するとともに、文化財の保護・保存と地域の歴史文化の継承・普及を推進してまいります。

スポーツ・レクリエーションにつきましては、スキー場第2リフトの整備を行うほか、改修工事によりご不便をおかけしているスポーツセンターにつきましては、本年5月には、トイレ改修・バリアフリー化等を完了し、安全でさらに使いやすい施設としてオープンいたします。
また、全日本ハンドボールチームや正月の箱根駅伝への出場を目指す大学陸上部など、スポーツ合宿の誘致に取り組み、一流のアスリートに触れる機会を通じて、市民へのスポーツの普及と振興を図ってまいります。

第五に、「オホーツクの個性を活かした交流のまちづくり」であります。

従来から進めてきたオホーツク海の海洋研究に加え、環境負荷の低減や地球温暖化に主眼を置いた研究を推進するほか、国際化に対応した人材づくり・環境づくりに努めてまいります。
また、空港等の交通基盤や情報通信基盤を活用し、多様な地域と活発な交流・連携を推進するなど、地理的特性を生かした魅力ある交流が展開されるまちづくりに取り組んでまいります。

オホーツクプログラムにつきましては、昨年10月、北海道大学で開催された日本プランクトン学会において、水産総合研究センターとの共同研究成果として、オホーツク中部沿岸域におけるプランクトン長期観測データの発表を行い、学会関係者から高い評価を得たところであります。
今後とも、外部研究機関とのネットワーク化を図るとともに、北方圏国際シンポジウムなどを通じて、研究成果の公表を行いながら、地場産業の振興や環境保全に貢献できる情報発信基地として、機能の充実に努めてまいります。

国際交流につきましては、中学生親善訪問団のニューポート市派遣のほか、コルサコフ市からのヨット訪問団受入れなどを通じて市民交流を促進し、国際交流の進展に努めてまいります。
北方圏国際シンポジウムにつきましては、これまで多くの市民 ボランティアの皆さんの熱意に支えられ、本年2月に記念すべき25周年を迎えることができました。
オホーツクの豊かで個性的な生活・文化の創造を目指す息の長い活動は、環境と共生する社会づくりの貴重な取組として評価されるところであり、引き続き支援してまいります。

地域間交流・定住・二地域居住につきましては、「交流拡大プロジェクト」として、定年退職後の世代などへの「お試し暮らし」を引き続き実施するほか、都市部の児童・生徒との交流活動、スポーツ合宿誘致など、多様な分野・地域との交流機会の確保に努めながら、交流人口の拡大による地域活性化や賑わいの創出へと繋げていくため、引き続き交流拡大の取組を推進してまいります。

空港の利用促進につきましては、全日空をはじめ、旅行会社などとタイアップした旅行商品の開発やPR活動をさらに力強く展開するとともに、東京直行便就航10周年記念事業として、子どもフライト体験ツアーを実施するなど、東京直行便の路線維持・確保に向けて、単年度搭乗率60%確保を目指し、搭乗率の向上に取り組んでまいります。

港湾整備につきましては、紋別港が地域経済圏における生活・産業を支える物流拠点港であることを踏まえ、本港地区の北防波堤改良工事、第2船溜西岸壁の海水交換施設の整備に引き続き取り組むとともに、第1船溜地区道路を整備してまいります。

道路整備につきましては、高規格幹線道路旭川・紋別自動車道が本年3月末に比布ジャンクションから浮島インターチェンジを含む丸瀬布インターチェンジまでの区間が供用開始となり、道央自動車道と連結することにより、旭川圏、札幌圏へのアクセスがさらに短縮されるほか、高速道路の一部無料化の波及効果も期待されるところであり、引き続き、整備未着手となっている遠軽紋別間の早期着手に向け、国に対して、強く要請してまいります。
また、紋別湧別間の防雪事業につきましては、昨年紋別側からの工事が着手されたところでありますが、一日も早い完成に向けて、引き続き要請してまいります。
このほか、道道紋別丸瀬布線の金八トンネルが昨年7月に供用開始されましたが、沿線には、国の登録有形文化財の指定を受けた旧上藻別駅逓所もあり、交通量の増加が見込まれることから、安全で円滑な交通確保に向け、曲線部、幅員狭隘部の改良など、整備促進を北海道に要請してまいります。

バス輸送の充実につきましては、地域に密着した身近で便利な市民の足としてのバス路線の確保に向けて、市内循環バス実証運行を継続し、利用者の声に応えた路線網や運行ダイヤの検討などに引き続き取り組み、一日も早い本格運行を目指してまいりますとともに、バスターミナル設備の改修を行い、バス待合い環境の改善に努めてまいります。
また、冬期観光の活性化に向け、昨年に引き続き、ガリヤ地区、空港、大山山頂、流氷岬などを結ぶ交通体制の整備に取り組んでまいります。

情報・通信につきましては、地上デジタル放送のスムーズな移行ができるよう、今後も市民周知に努めるとともに、受信が不可能な地域は、国による新たな難視地区として指定を受け、必要な対策を講じてまいります。
また、情報化社会の進展に対応できるよう地域情報の発信手法や通信技術等の利活用について研究するとともに、市民サービスの向上を図るため、平成23年度稼動に向けて、戸籍電算システムの導入に着手いたします。

第六に、「市民が行動、参画するまちづくり」であります。

住民ニーズの多様化や地方分権に対応していくため、効果的・効率的な自治体運営と周辺地域との連携による広域的な行政サービスの展開に努めてまいります。
また、市民と行政が協働で進めるまちづくりを実践するため、町内会などのコミュニティが自主的に行う活動を支援するとともに、市民・事業者・行政が有機的に協働するまちづくりに取り組んでまいります。

市民との協働につきましては、新たに地域コミュニティ活動支援事業として、町内会連絡協議会を通じて、各町内会が実施する防犯・防災活動等を支援することにより、地域コミュニティの主体的な活性化を推進してまいります。
また、定例記者会見および広報もんべつ、ホームページなどによる情報発信に努めるとともに、市長への手紙や市長室開放、出前市長室をはじめ各種懇談会への出席など、市民の皆さんとの直接対話を通して、情報や価値観の共有を図り、市民本位の市政、市民と行政が協働するまちづくりの実現に努めてまいります。

男女共同参画につきましては、広報誌などの活用や人権擁護委員会との連携協力を通じて、意識の啓発に努めるほか、引き続き各種審議会等への女性枠の拡大に取り組んでまいります。

行財政運営につきましては、多様化、高度化する行政需要に対応するため行政改革を継続し、効果的効率的な自治体経営に努めてまいります。
また、本年度から、金融機関との連携による口座振替収納の促進および嘱託徴収員を新規配置するほか、コンビニエンスストア収納、クレジットカード収納の平成23年度開始に向け作業を進めるなど、市税等の収納率向上対策に取り組んでまいります。

安養園につきましては、引継計画に基づき、受託事業者との十分な協議を行い、本年4月1日から民間に移管してまいります。
また、学校給食調理場の統廃合と委託化につきましては、引き続き職員組合との話し合いを重ね、合意形成が整うよう教育委員会とともに進めてまいります。

職員研修につきましては、市役所の組織能力が市民のために最大限に発揮されていることが必要なことから、研修内容の充実や現場主義の徹底、地域コミュニティ活動への参加、一職員一チャレンジなど、職員の市民支援能力の向上と日々の意識改革による行動する職員を育成するとともに、時代の変化に柔軟に対応できる市役所づくりを目指してまいります。
広域行政につきましては、医療やごみ処理をはじめ、観光・交通網など、広域的な取組が地域全体にとって有益となるものについては、積極的に関係市町村との協議を行ってまいります。
現在、国において、地域主権の推進に伴う権限移譲や事務の共同処理の見直しが進められる一方、北海道においても、独自の「定住自立圏構想」が浮上していることから、これら国等の制度設計に十分留意し、多様な広域連携の取組手法について、検討してまいります。

次に、平成22年度紋別市各会計予算案についてご説明申し上げます。

政府は平成22年度予算編成にあたり、基本理念の一つに地域主権を掲げ、地域主権確立に向けた制度改革に取り組む外、地域に必要なサービスを確実に提供できるよう、地方財政の所要の財源を確保することで、住民生活の安心と安全を守るとともに地方経済を支え、地域の活力を回復させていくことといたしました。

一方、本年度の地方財政は、個人所得の大幅な減少や企業収益の急激な悪化等から、地方税や交付税の原資となる国税収入が引き続き落ち込み、財源不足額は過去最大規模に拡大すると見込まれました。
このため、本年度の地方財政対策においては、国の予算編成の基本方針に則り、本年度単年度の措置として、昨年度までと同様、臨時財政対策加算等により財源不足が補填された外、前年度に対し地方交付税を1.1兆円増額し、地方財政計画に「地域活性化・雇用等臨時特例費」9,850億円が特別枠として計上されました。

この結果、臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税の総額は、約26兆6,000億円と過去最高となり、厳しい地方税の減少に的確に対応するとともに、地方がかねてより訴えてきた、地方交付税の復元・増額に応えたものと、高く評価しているところであります。

しかし、地方交付税法第6条3第2項に該当する財源不足は、平成8年度以来15年連続しており、今後とも市長会の一員として、地方交付税の法定率引き上げを強く国に求めていかなければならないと考えております。

このような状況の下、本市の平成22年度予算は、地方交付税の増が見込まれるものの、市税の減収が確実視される外、退職者増に伴う給与費の増など、多額の財源不足が見込まれました。
このため、経常的経費については、マイナスシーリングによる経費の見直しや定年退職者の採用不補充等、経費の抑制に努めましたが、子ども手当の創設や本年4月からの安養園民間移管に伴う市債繰上償還により、前年度に比較し、4.1%の増となりました。

また、政策的経費については、本市の喫緊の課題である地域医療確保対策の外、農林水産業など、本市の基幹産業の基盤充実に重点的に財源を配分した外、現下の経済情勢を鑑み、13ヶ月予算として、先の第1回紋別市議会臨時会の補正予算と一体的な編成を行い、必要な事業量を確保し、前年度に比較し、3.8%の増となりました。

以上の結果、本年度の一般会計の予算規模は、
152億1,043万7千円となり、前年度予算と比較し、5億8,504万8千円、4.0%の増となりました。
これに見合う財源は、

一般会計の予算規模
市税 26億3,191万6千円
地方譲与税 2億1,328万円
地方消費税交付金 2億7,870万1千円
地方交付税 63億3,000万円
分担金及び負担金 1億4,271万8千円
使用料及び手数料 4億2,202万5千円
国庫支出金 14億7,311万8千円
道支出金 7億3,639万9千円
財産収入 1億1,360万1千円
繰入金 8億8,737万4千円
市債 16億1,670万円
その他 3億6,460万5千円
合計 152億1,043万7千円

となっております。

歳入の主なものについてご説明いたします。
最初に、市税でありますが、個人市民税は、景気回復の遅れによる個人所得の減少や納税義務者の減により、前年度に比較し4.9%の減を、法人市民税も市内法人の廃業等により5.8%の減を見込みました。
固定資産税は、土地評価額の下落修正、償却資産における事業所の廃止等の影響により、前年度に比較し1.6%の減を見込みました。
一方、たばこ税は人口減少や喫煙率低下から消費本数が減少傾向にあるものの、税制改正により3.7%の増収を見込みましたが、市税総体では前年度に比較し、2.8%減の、26億3,191万6千円を計上いたしました。

次に、地方交付税でありますが、前段申し上げました地方財政対策の結果、地方公共団体への交付総額は、前年度に比較し1兆733億円、6.8%増の16兆8,955億円となりました。
前年度の本算定結果を基礎に、国の算定指針に基づき推計した結果、前年度に比較し1.9%増の63億3,000万円を計上いたしました。

次に、繰入金でありますが、減債基金など8億8,737万4千円を計上いたしました。

次に、市債でありますが、建設事業等に充てる通常債のほか、地方交付税からの振替相当額として臨時財政対策債6億7,370万円を合わせ、16億1,670万円を計上いたしました。

一方、歳出につきましては、厳しい財政環境にありますが、前段申し上げました政策課題に着実に取り組むため、重点的で効率的な施策の展開に努めるべく編成いたしました。
次に、特別会計でありますが、4月からの安養園の民間移管に伴い、介護老人福祉事業特別会計を平成21年度末で廃止いたします。
9特別会計の総予算額は54億9,686万3千円となり、前年度予算と比較し1億3,570万2千円、2.5%の増となりました。

各特別会計の予算額は、

特別会計の予算額
国民健康保険事業特別会計 28億7,103万6千円
港湾埋立事業特別会計 2億3,723万円
簡易水道事業特別会計 4,501万5千円
交通災害共済事業特別会計 3,648万5千円
土地取得事業特別会計 4億6,323万9千円
老人保健事業特別会計 7,444万2千円
営農飲雑用水道事業特別会計 3,565万1千円
介護保険事業特別会計 14億5,446万3千円
後期高齢者医療事業特別会計 2億7,930万2千円
合計 54億9,686万3千円

となっております。

主なものについてご説明いたします。
まず国民健康保険事業特別会計でありますが、診療報酬改定等による医療費増嵩から、本年度におきましても単年度で赤字が見込まれ、平成22年度末で基金の枯渇が見込まれるため、保険税改正を行うとともに、収納率向上対策を強化し、健全化を図ってまいります。
なお、保険税改正については、賦課限度額を、現法定限度額との差額4万円を引き上げ、69万円にしようとするものであります。

次に、港湾埋立事業特別会計でありますが、平成21年度末の累積赤字は約1億3,000万円に達すると見込まれます。このため、長期収支計画に準じ累積赤字抑制に努めるとともに、工業用地の処分に努めてまいります。

以上により、一般会計、特別会計を合わせた予算の総額は、
207億730万円となり、前年度当初予算と比較いたしますと、7億2,075万円、3.6%の増となりました。

最後に、公営企業会計でありますが、水道事業予算につきましては、条文形式予算第3条の収益的支出予定額は、6億8,593万5千円を計上し、これに対応する財源は給水収益などで措置し、予算第4条の資本的支出予定額は4億3,313万7千円を計上し、これに必要な財源は企業債及び内部留保資金などで補填することといたしました。

また、下水道事業予算につきましては、条文形式予算第3条の収益的支出予定額は、9億2,306万円を計上し、これに対応する財源は下水道使用料及び一般会計負担金などで措置し、予算第4条の資本的支出予定額は10億1,120万3千円を計上し、これに必要な財源は国庫補助金、企業債及び内部留保資金などで補填することといたしました。

お問い合わせ

総務部/企画調整課

電話:0158-24-2111

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