平成24年度市政執行方針
市政執行方針(平成24年第1回紋別市議会定例会)
平成24年第1回紋別市議会定例会の開会にあたり、私の市政に対する執行方針を申し上げ、議員の皆さん並びに市民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
私は、平成17年の初当選以来、市民の皆さんの負託に応え、与えられた使命を全うするため、地場産業の振興と多様な交流による市勢の伸展を図るとともに、市民の暮らしを守り、一人一人のしあわせ実現を目標として、様々な施策に取り組んでまいりました。
本年は、2期目の市政運営を担わせていただく本格予算としての最終年であります。
公約実現に向け、全力を挙げて課題解決に取り組み、市民の生活と産業を支える安心と活力の基盤を着実に整備するとともに、地域資源を育て、地域の可能性と未来を開拓してまいります。
東日本大震災から早や一年が経過しようとしております。
その甚大な被害から、復興までの道程は決して平坦ではなく、また、被災された方々の深い悲しみと大きな喪失感を埋めるには、相当な時間が必要であると感じております。
その一方で、被災地では、日々、家族・友人・職場・地域のつながりが生まれ、さらに、新たなつながりのなかから助け合い、支え合いの自発的ネットワークが縦横に結びついてきております。
私は、ふるさとの再生に向かって、力強く立ち上がった地域の方々の生きる力と意志から、生活や産業活動の場としての「ふるさと」、心のよりどころとしての「ふるさと」の意味と、安全・安心のあり方を改めて見つめ直しました。
市民の生命と財産を守り、暮らしと心の基盤としてのかけがえのない「ふるさと」を守る。そのためには、早急に地域防災計画を改訂し、安全の質を向上させるとともに、災害時の被害を最小にする「減災」の考えに基づき、全ての市民が危険から逃れ、自らの命を守れるよう、「自助・共助・公助」の仕組みを再構築しなければなりません。
そして、自助と公助を結ぶ要として、最も重要な役割を担うのが、「共助」である地域コミュニティであります。
このため、町内会組織の活性化を図り、会員相互の活発な交流を促進し、「つながる」ことから「つなぐ」ことへ、さらに「支え合い」の信頼関係に結びつくよう、一層の支援をしてまいります。
さらに、地域コミュニティのみならず、様々な関係者との間で求められるネットワーク機能を行政施策全般で充実させ、行政組織の内外で強い連携力を発揮させたいと考えております。
昨年4月、地域住民をはじめとする様々な関係者の方々のご努力により、道立紋別病院が西紋五市町村の連携による「広域紋別病院」として新たなスタートを切りました。
新病院は、院長をはじめとする職員の皆さんが心の通う愛される病院づくりを進めており、入院、外来患者数ともに増加傾向を示しております。同時に、地域の大切な財産であるとの意識が住民の皆さんに浸透しつつあり、医療スタッフと住民がともに新病院を育てていこうという連帯感が着実に前進していると実感しております。
また、本年1月には、医療現場で長年ご活躍されている先生が専任の企業長として就任されました。
新企業長を中心にスタッフが一丸となって、医師の確保をはじめ、民間病院や国保病院さらには遠軽・北見・名寄・旭川地域との医療連携など、病院経営全般に力を発揮していただき、広域病院が地域医療の拠点病院として成長していくよう、引き続き企業団への支援を行い、地域の命を守る体制づくりを推進してまいります。
政府の本年度予算は、東日本大震災からの復興や経済財政の再生などが盛り込まれ、「希望と誇りある日本を取り戻し、日本再生に全力を尽くす」、また、被災地の復興を日本全体の経済再生モデルとして、再生可能エネルギー導入などを推進する新成長戦略を先取りしていくとしており、今後の速やかな執行が望まれるところであります。
さらに、税と社会保障制度の一体改革をはじめ、本市の基幹産業に重大な影響を及ぼすTPPへの参加など、国と地方の将来を左右する大きな決断の時期を迎えており、正確な情報と適切な説明に基づく国民的合意が必要であります。
本市におきましては、長引く景気低迷から、依然として厳しい雇用情勢、人口減少・少子高齢化などによる地域活力の停滞が続いており、引き続き、国、北海道に対し、地域の実情を発信するとともに、地方からの日本再生に向けた施策展開を強く求めてまいります。
他方、地域主権改革により、義務付け・枠付けの撤廃が進められるなど、地方への権限移譲が進展し、今後も義務付けの見直し項目の追加や、市町村への一括交付金化などが予定されております。
このため、私たちは地域としての自主自立の風土をしっかりと作り上げ、紋別の個性と強みを生かした持続的な自治体経営を確立していかなければなりません。
幸いにも、私たちには、恵み多く素晴らしい自然に育まれ、紋別の強みとなっている農林水産業があります。
これら基幹産業が今後ともしっかりと地に足を着け、力強く安定した産業として発展していくには、生産性の向上と作業効率の追求、地場産品の高付加価値化への取組が不可欠であり、昨年の大規模農業生産法人の新設や省エネ型漁船への更新、森林認証による取組も、コスト削減と競争力強化を目指したものであります。
各産業分野において、経営基盤の安定化を図りつつ、自らの強みを見出し、可能性を拡げ、未来のために創意工夫とチャレンジする取組を、行政が積極的に支援しながら、魅力ある元気な産業づくりを推進してまいります。
ただいま申し上げました安全・安心をはじめとする多様なネットワークづくりや、地場産業を地域の強みとしてさらに発展させていくためには、多くの担い手が育ち、各分野で事業やプロジェクトの推進役となるリーダーとして成長していくことが求められます。
このため、まちづくり講座や職業研修などはもとより、現場での実践を通して得られる生きた経験や知識を共有し、参加者が自ら考え行動していく機会の充実と研修環境の整備を図ってまいります。
以上のことから、本年度の予算・施策執行にあたりましては、今を踏み固める緊急的対策あるいは持続的発展の布石となる未来への投資的施策といった事業の性質に応じて戦略的に展開し、市民力が発揮される「安全・安心の基盤づくり」と「産業と人の活力づくり」を図ってまいります。
以下、本年度の主要な施策の概要を第五次紋別市総合計画のまちづくりの基本目標に沿って、申し上げます。
第一に「確かな産業を育てるまちづくり」であります。
産業は、市民生活を豊かにする地域の活力基盤であります。
活力と豊かさを未来につなぎ、魅力ある産業づくりを推進するため、各産業の生産基盤と経営の安定化を図るとともに、地域資源を活用したチャレンジが新たな地域の強みに成長するよう支援してまいります。
また、国が急速に進めるTPP交渉への参加問題につきましては、地域産業のみならず地域社会全体の崩壊につながる重大な問題であり、明確な国内対策が示されない現状での交渉参加には、強く反対してまいります。
農業につきましては、強い農業の基盤をつくり、農業経営の効率化と農村環境の向上を図るため、沼の上地区農道整備を実施するほか、上渚滑地区営農飲雑用水道施設の機能更新計画の策定に着手するとともに、引き続き道営草地整備改良事業及び中山間地域等直接支払事業を実施してまいります。
また、酪農経営の安定化と効率化を進めるため、本年度完了予定の乳牛ほ育・育成預託広域牧場建設事業に支援するとともに、新たに本年度から後継牛不足の解消に向けた雌雄判別精液の導入に対し、支援してまいります。
このほか、近年激増しているエゾシカ等、有害鳥獣による農業被害の軽減を図るため、紋別市鳥獣被害防止対策協議会が実施する駆除対策に支援してまいります。
林業につきましては、引き続き道営林道整備事業として森林管理道弥生第2線の整備を進めるとともに、林業専用道開設事業に着手し、生産基盤の整備を図ってまいります。
また、新たに森林作業員に対する技術指導研修に支援するなど、林業従事者の育成確保に努めてまいります。
森林認証による地域おこしにつきましては、引き続き公共工事の認証材使用及び一般住宅の認証材活用に対する建設費補助を実施するほか、新たにSGEC認証材首都圏普及モデル事業や港区との協定に基づく公共建築物等に対する認証材の供給など、地域材需要拡大の推進に努めてまいります。
さらに、森林施業の集約化を推進するため、森林所有者が作成する森林経営計画及び路網整備などに支援するほか、未来につなぐ森づくり推進事業により、植林に対する山林所有者の負担軽減を図ってまいります。
水産業につきましては、本年度から漁業資源再生・安定化事業として、昆布など前浜の水産資源の生息環境改善に向けた生産者の取組に支援するほか、新たなシジミの漁場を開発するための増殖試験に支援し、内水面漁業の振興に努めてまいります。
また、昨年末に漁業者から多額の寄付がありましたことから、これを活用した新たな漁業振興施策を検討してまいります。
水産加工業につきましては、安全・安心な食品づくりを推進するため、引き続き水産製品検査センターに支援してまいります。
また、本市の水産加工品の信頼と付加価値をさらに高めるため、衛生管理体制の整備に対する支援を行うとともに、新たな支援制度について、検討を進めてまいります。
商業等につきましては、引き続き商店街等が行うイベントや空き店舗等の有効活用に支援するとともに、新たに若手経営者グループなどの担い手育成活動に支援してまいります。
また、市内中小企業の円滑な資金調達のため、中小企業振興資金貸付事業を引き続き実施するほか、店舗新増改築工事等への支援を継続し、快適な商業環境づくりを推進してまいります。
中心市街地の活性化につきましては、魅力ある中心市街地づくりに向けて、まちづくりコーディネーターや市民との協働により、中心市街地の方向性を定める「ビジョン」づくりを進めるとともに、まちなか花潤い創出事業を実施し、賑わいの再生と潤いのある景観形成に取り組んでまいります。
地場産業の振興につきましては、新たに6次産業化チャレンジ支援事業として、紋別産農林水産物を利用した製品開発の試験的取組に支援するほか、紋別産品ブランド化事業を再編し、引き続き地域資源を生かした新製品開発や商品化への取組とガイドブックの作成など、産品情報の発信をさらに推進してまいります。
企業誘致・新産業につきましては、市内企業を中心とした積極的な企業訪問により、補助制度・優遇措置の周知や申請手続き等のサポートを行い、市内企業の設備高度化の推進に努めてまいります。
また、市外企業に対しましては、本市の特性である自然災害の少なさや豊富な地域資源をセールスポイントに、誘致活動を推進してまいります。
道都大紋別キャンパス跡地につきましては、メガソーラー建設地としての提案のほか、引き続き企業等への誘致活動を行うとともに、跡地の利活用を促進するため、上下水道などの基盤整備に取り組んでまいります。
観光につきましては、現在、紋別観光協会において、公益法人制度改革に伴う移行事務が進められており、体験観光を柱とした収益事業のさらなる展開と組織の自立的運営に向けた取組に引き続き支援するとともに、観光産業の振興を図ってまいります。
また、コムケ・オムサロの原生花園、三室番屋や上藻別駅逓・鴻之舞金山など、貴重な自然や歴史的文化的遺産を新たな体験観光の資産として活用を図り、文化とふれあう観光を積極的に展開してまいります。
さらに、市民はもとより道内外から多くの観光客が訪れる流氷まつりをはじめ、オホーツクラベンダー畑をコースに取り入れた花観光ツアーや海外観光客を誘致目的とした遠紋サロマ湖地域による広域連携などに引き続き支援してまいります。
雇用につきましては、国の平成23年度第3次補正予算により、「重点分野雇用創造事業」が1年延長されたことから、引き続き緊急雇用創出推進事業を実施するとともに、雇用開発及びUターン促進事業により、UIJターン希望者と求人企業双方に求職情報の提供や各種助成制度の周知を行い、あわせて西紋別地域通年雇用促進支援事業を実施し、季節労働者の通年雇用化を促進してまいります。
第二に、「安心して健やかに暮らせるまちづくり」であります。
誰もが幸せでいつまでも住み続けたいと思える地域づくりが必要であります。医療体制の充実をはじめ、若い世代が安心して子育てすることができ、高齢者や障害者がいきがいを持って健康で元気に暮らせる環境づくりを推進してまいります。
医療につきましては、市民が住みなれた場所で安心して暮らし続けるために不可欠な社会基盤であり、引き続き必要な医療を適切に受けられる体制づくりに取り組んでまいります。
安定した医療提供体制の実現にあたっては、医師の確保が最も重要であります。昨年4月にスタートした広域紋別病院においては、医育大学への派遣要請、各種媒体を活用した求人情報の発信と収集、さらには院内プロジェクトチームでの検討など、様々な取組を行っておりますが、本市においても、地域内外の医療情報の活用など、病院との連携を密にして、常勤医師の早期確保に向けた協力支援体制の充実強化を図ってまいります。
また、平成26年度中の開設を目指して、広域紋別病院の移転改築準備が進められておりますが、移転に伴う現在地の活用方法につきましては、北海道及び企業団と十分な協議を重ね、地域住民の資産としての有効利用を図ってまいります。
休日夜間急病センターにつきましては、通年開設を目指すとともに、必要な資機材の確保を行ってまいります。
なお、看護学生に対する修学資金の貸付制度を拡充し、本年度から貸付額を増額するなど、市内医療機関の看護師確保に取り組んでまいります。
地域福祉につきましては、まちなか道営住宅ふれあいサロン事業を継続し、世代間交流を推進するとともに、地域福祉活動を支えるボランティアの育成を図るため、社会福祉協議会など、各種団体の運営に支援してまいります。
また、個人のライフサイクルに応じた包括的、継続的サービスを提供する体制づくりを目指して、平成21年度から保健・医療・福祉連携事業に取り組んでまいりました。
関係者が互いに課題を持ち寄り、共通の認識を深めながら、具体的解決手法を検討し、「命のバトン」の配布や急病センターでの電話トリアージ後の事後フォローシステムが開始され、受診者支援の充実が図られたほか、消防機関による脳卒中が疑われる傷病者の直接搬送も開始されました。
本年度はグランドデザインの取りまとめや心疾患にかかる直接搬送の整備などに取り組んでまいります。
子育て支援・児童母子等福祉につきましては、子育て支援センターの利用者のニーズに沿った支援内容の充実に取り組むとともに、引き続き乳幼児等医療給付拡大事業を実施するほか、新たに保護者の急病やパート労働、育児疲れの解消などを目的とした一時預かり事業を実施する民間保育所に支援してまいります。
また、築38年を経過し老朽化が著しい南が丘児童館につきましては、遊休施設を活用した移転改修に取り組み、児童が安全で活動しやすい環境づくりを進めてまいります。
障害者福祉につきましては、本年度スタートとする「第2次障害者計画」及び「第3期障害者福祉計画」に基づき、障害者のニーズに対応したサービスの提供と支援体制の充実強化に取り組むとともに、障害者の就労について、関係機関・団体、事業所などの意見をいただきながら、支援施策を検討してまいります。
また、現在、国において検討されている「(仮称)障害者総合福祉法」について、利用者が不安を感じることなく移行できるよう、正確な情報の収集と提供に努めてまいります。
高齢者福祉につきましては、本年度新たにスタートする「第5期紋別市高齢者福祉計画」に沿って、介護、介護予防、生活支援などの施策に取り組んでまいります。
昨年、地域ネットワーク推進事業により、緊急時における安全を確保するため、65歳以上の高齢者の生活状況を再調査したところでありますが、本年度は、新たに65歳を迎えた方の実態調査と名簿登録者の追跡調査を実施し、引き続き、生活状況の把握と安否確認などに取り組んでまいります。
また、高齢者が積極的に社会参加し、生きがいを持ちながら生活できるよう、引き続き高齢者いきがい生活支援事業、緊急通報システム運営事業、高齢者等交通費支援事業を実施してまいります。
保健・健康づくりにつきましては、本年度から平成28年度までの5ヵ年で取り組む「紋別市健康増進計画」に基づき、市民一人一人が主体的に取り組める健康づくりとその活動を支える環境づくりを推進してまいります。
また、昨年実施した食育アンケートを踏まえ、本年度から「もんべつ食育プラン」に基づく施策を実施し、「食」について様々な経験を通じて、知識と判断力を習得し、生涯にわたって健康で豊かな生活が送れるよう、健康な食生活や紋別産食材の地産地消、食文化の伝承などに総合的かつ計画的に取り組んでまいります。
このほか、引き続きがん検診推進事業を実施し、受診率の向上を図るとともに、妊婦健康診査事業を継続し、妊婦の健康管理の充実と経済的負担の軽減を図ってまいります。
また、感染症予防対策として、子宮頸がん、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチン接種費用を引き続き全額助成するほか、昨年度拡充した高齢者の肺炎球菌ワクチンの接種率向上に向け、より一層の周知に努めてまいります。
国民健康保険事業につきましては、国保財政の健全化を図るため、賦課限度額の引き上げを行うとともに、引き続き収納対策の充実強化に努めてまいります。
また、保健事業につきましては、生活習慣病予防に重点を置いた特定健診や特定保健指導を推進し、医療費の適正化に努めるなど、国保事業の安定的な運営を図ってまいります。
後期高齢者医療制度につきましては、新たな高齢者医療制度に移行するまでの間、現行制度の円滑な運営と安定的な財政運営の確保に努めるため、運営主体である広域連合と連携を図ってまいります。
なお、本年度は、2年ごとに行われる保険料の改定年となっており、被保険者数の増加に伴う医療給付費を確保するため、保険料の引き上げと限度額の改定が行われることとなりますが、被保険者への十分な周知を図り、円滑な運営に努めてまいります。
介護保険制度につきましては、本年度から3ヵ年で実施する「第5期紋別市介護保険事業計画」に基づき、認知症対応型共同生活介護など、介護サービス等の基盤整備を進めるとともに、介護及び介護予防などの保険給付を適切に実施してまいりますが、要介護認定者の増加、施設利用者を始めとするサービスの増加に必要な介護給付費を確保するため、保険料基準月額の見直しを行ってまいります。
また、低所得者等の負担軽減を図るため、すでに実施している第4段階の細分化に加え、新たに第3段階の細分化を行うことにより、所得に応じたきめ細やかな保険料率を設定するとともに、納期回数を現行の7期から9期へと変更してまいります。
第三に、「快適な環境で暮らせるまちづくり」であります。
市民が快適な生活環境で暮らし続けるためには、道路や橋、上下水道などの都市基盤を将来にわたって良好に維持していく必要があります。長期的に使用するこれらの資産の計画的な整備を進めるとともに、あわせて環境保全の総合的な取組を推進してまいります。
また、災害から市民の生命と財産を守るため、避難の支援体制づくりなど、ソフト面の一層の充実を図り、災害に強い地域づくりを進めるとともに、市民の安全な環境づくりを推進してまいります。
住居表示につきましては、未実施地区の整備に向け、本年度から実施計画の策定を進めてまいります。
公営住宅につきましては、本年度6棟20戸をもって建設完了となる大山団地の建替事業のほか、新たに上渚滑7丁目団地及び元紋別団地の実施設計に着手し、平成25年度からの本工事に向けて取り組んでまいります。
このほか、公営住宅長寿命化計画に基づき、引き続き花園団地の屋上防水工事を実施いたします。
また、地域主権改革の「義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大」に伴い、上渚滑地区における公営住宅の入居要件につきましては、一般の民間賃貸住宅もなく、市内からの通勤に不便なことなどの地域実情を踏まえ、同居親族要件を適用除外とし、一般単身者入居を認めてまいります。
生活道路につきましては、引き続き落石第47号線改良舗装のほか、大山公営住宅関連市道整備事業を実施してまいります。
また、道路利用者の安全な歩行と走行の確保を図るため、引き続きまちなか歩道整備事業を実施するほか、新たに道路街路灯改修事業として、本年度は上渚滑地区等のLED照明設置を実施いたします。
このほか、橋梁の長寿命化計画に基づき、渚滑3線橋の上部工事を実施するなど、効果的・効率的な改修整備に努めてまいります。
河川につきましては、沿線住民の安全確保を図るため、引き続き元新1号川など、市内小河川の河床整備や草刈等を実施してまいります。
一級河川「渚滑川」の整備につきましては、地域住民の生命・財産を守るため、国の渚滑川水系河川整備計画に基づく計画流量の確保に向けた早期の河川改修を引き続き国に要請するほか、藻鼈川及び鴻輝川等の治水対策について、必要な整備を北海道に要請してまいります。
上水道につきましては、引き続き老朽配水管の計画的な更新工事を実施するとともに、新たに導水管更新のための基礎調査を実施いたします。簡易水道では、上渚滑及び小向地区の配水管整備事業に着手し、漏水防止と安定給水の確保に努めてまいります。
下水道につきましては、新たに作成した「下水道長寿命化計画」に基づき、管渠や施設の効率的な更新を進めるとともに、本年度は、アクアセンター水処理施設及び汚泥処理棟の屋上防水などの実施設計に着手するほか、施設の耐震対策の検討を進めてまいります。
また、水道料金等の支払いにコンビニ収納を導入し、利用者の利便性向上を図るとともに、企業会計の運営にあたりましては、今後とも経費の節減等、健全経営に努めてまいります。
生活排水処理につきましては、引き続き郊外地域の合併処理浄化槽の設置等に対する補助制度の周知を図り、適切な処理の促進を図ってまいります。
交通安全につきましては、事故のない安全なまちづくりを目指し、地域の皆さんの協力をいただきながら交通事故防止運動に取り組んできたところであり、市内の昨年の事故件数は前年と比較すると死亡事故が2件、人身事故が22件の減少となっております。今後とも各町内会や警察、関係機関・団体と協力しながら、交通安全教室の開催や夜光反射材着用を推進するなど、引き続き交通安全意識の高揚に努めてまいります。
防災につきましては、東日本大震災を踏まえ、津波ハザードマップの新規作成や津波対策を盛り込んだ地域防災計画の見直しを行うとともに、「減災」の考え方に基づき、災害時における要援護者への支援を迅速かつ適切に行えるよう、各町内会の協力をいただきながら、災害時要援護者避難支援プラン及び津波避難計画を策定してまいります。
また、総合防災訓練や災害図上訓練などを通じて、市民防災意識の高揚と地域防災力の充実強化を図ってまいります。
海岸保全対策につきましては、引き続き北浜地区の護岸改良整備により、護岸嵩上げや消波工の設置など機能強化を図るほか、海岸侵食が進んでいる川向地区、小向地区、沼の上地区につきましては、北海道に対し、必要な整備を要請してまいります。
また、元紋別地区の防潮治山工事につきましては、防風林機能の回復と緩傾斜護岸による保護対策を引き続き国に要請してまいります。
消防・救急につきましては、多様化・大型化する災害等に対して、迅速かつ効果的な救助活動を行うため、救助工作車を新たに配備するなど、災害対応力の強化を図ってまいります。
また、救命体制の充実に向けて、近隣の専門医療機関等との連携を深めるとともに、救急救命士の資質向上にも努めてまいります。
なお、消防救急無線のデジタル化につきましては、国、北海道並びに西紋別地区4町村との協議に基づき、導入時期及び整備内容の検討を進めてまいります。
防犯・消費生活につきましては、消費生活相談体制などの充実強化に向けた取組によって、振り込め詐欺被害などは、ここ数年発生しておりませんが、本年も振り込め詐欺とみられる予兆電話があるなど、十分な警戒が必要であります。
これらを未然に防ぐため、引き続き関係機関と連携した啓発活動と迅速な情報提供に努めるほか、複雑多様化している相談に対応するため、消費生活相談員の一層の資質向上に努めてまいります。
このほか、地域防犯のために設置している町内会の街路灯につきましては、電気料助成制度を拡充し、新たに設けた「地域コミュニティ交付金」に統合いたします。
自然環境につきましては、環境の保全及び創造に関する施策を総合的に推進するため、「紋別市環境基本計画」を策定し、良好で快適な環境を守り育て、次世代へ引き継いでいくことを目指してまいります。
また、環境負荷の軽減を図るため、市民が設置する太陽光発電システムに対して、補助及び貸付金制度を創設いたします。
なお、コムケ湖のラムサール条約湿地への登録につきましては、関係団体に対する説明を重ねてまいりましたが、現段階では賛否の統一を図ることが難しいことから、引き続き意見交換の場を設け、地域総意の取組となるよう合意形成を図ってまいります。
環境衛生につきましては、「もんべつが一番きれいになる日」の開催に支援するなど、環境保全及び景観の美化の取組を推進してまいります。
公園・緑地につきましては、引き続き既存公園施設の改修を計画的に進め、本年度は、中央公園及びせせらぎ公園の遊具等の更新を実施してまいります。
また、オホーツク流氷公園につきましては、昨年7月に市施行区域の「オホーツクラベンダー畑」が開園となり、海を背景にラベンダーを見ることが出来る公園として多くの市民や観光客で賑わいました。
引き続き、オホーツク流氷公園内に全国・全道大会規模の開催が可能なパークゴルフ場、「72ホール」を整備するとともに、既存のパークゴルフ場を見直し、ホール数の適正化を図ってまいります。
なお、北海道施行分の丘のサロン、海のサロンの整備につきましては、本年度中の整備完成予定に遅れが生じないよう連携を図ってまいります。
一般廃棄物処理につきましては、現在整備中の広域ごみ処理施設が本年12月に完成いたしますが、平成25年4月から新たなごみ処理体制へスムーズに移行するため、本年7月からごみの試行収集を実施いたします。
このため、ごみの分別便利帳を本年4月に全戸配布するほか、広報もんべつやホームページ等により、周知の徹底を図ってまいります。
また、現在の最終処分場につきましては、本年12月末の受入停止及び廃止に伴う測量調査と環境調査を行ってまいります。
第四に、「いきいきと学び続けるまちづくり」であります。
今、紋別の子どもたちは文化やスポーツ活動において大きな輝きをみせ、まちに元気と明るさをもたらしています。
未来を担う子どもたちが、夢と希望を持っていきいきと輝き続けるよう、一人一人の個性を生かし、「生きる力」を育む教育環境を整備するとともに、市民が生涯を通じて学ぶことのできる環境づくりを進めてまいります。
幼児教育につきましては、引き続きブックスタート事業に取り組むとともに、絵本を複数から選べる方式とし、より一層親子のふれあいと対話を育んでまいります。
また、子育て支援センターや保健センターと連携して、家庭教育の充実に努めてまいります。
義務教育につきましては、渚滑小学校の屋内体育館の耐震改修を実施するほか、南丘小学校の屋内体育館のボイラー更新など、安全で快適に学べる教育環境の整備を図ってまいります。
また、新たに小中学校の吹奏楽部と金管バンドが使用する楽器更新等に支援し、児童・生徒の豊かな心を育むための情操教育の充実に取り組んでまいります。
特別支援教育につきましては、引き続き対象児童が在籍する小中学校に支援員を配置するほか、普通学級において、同様に教育活動上の支援を必要とする児童が多数見受けられる大規模小学校に対し、新たに1名ずつ支援員を配置し、きめ細やかな支援体制づくりを推進してまいります。
生涯学習につきましては、引き続きことぶき大学や各種講座など、市民の多様なニーズに対応した学習機会の充実に努めてまいります。
なお、青年の家につきましては、築47年を経過し、老朽化が著しいことから、従来の機能に加え、産業分野などの人材育成機能を有する施設として、整備手法を検討してまいります。
青少年活動につきましては、引き続き紋別市青少年健全育成推進委員協議会が実施する研修事業などに支援し、地域子ども会活動の推進役となるリーダーの養成と資質向上を図ってまいります。
また、休日等の子どもたちの安全な居場所づくりのため、留守家庭児童園や青少年教室、夏休み子ども水泳交流事業を継続してまいります。
芸術・文化につきましては、「オホーツク紋別音楽セミナー」の開催及び紋別市芸術文化機構「ホットランドオホーツク」の活動に、引き続き支援し、芸術文化に触れる機会の充実に努めてまいります。
また、市民芸術祭や各文化団体に支援するなど、市民芸術活動等の発表機会の拡充や芸術文化活動を担う人材・団体の育成に努めてまいります。
博物館につきましては、本年度、開館10周年事業の特別展・企画展を開催するほか、講演会やワークショップを通じて、優れた芸術作品に触れる機会の充実に取り組んでまいります。
スポーツ・レクリエーションにつきましては、気軽にスポーツを楽しみ、活動できる環境づくりを進めるため、スポーツ少年団や体育団体の活動に対して支援するとともに、学校開放事業、スキー場整備事業を継続するほか、本年度から、学校単位の児童で構成される野球やサッカーのスポーツ少年団の運動用具整備に支援してまいります。
第五に、「オホーツクの個性を活かした交流のまちづくり」であります。
本市には、この地域にしかない優れた自然環境や豊かで新鮮な食材、貴重な文化財や産業遺産があります。
これらの地域特性を生かした文化、スポーツ、観光などの各分野にわたる活発な交流が展開されるまちづくりに取り組んでまいります。
また、鉄路がないこの地域において、「空港・港湾・道路」は、物流、人の交流を支える生命線であります。港湾・道路の整備促進及び東京直行便の確保に向け、積極的な取組を進めてまいります。
オホーツクプログラムにつきましては、平成20年度から実施している北海道区水産研究所との共同研究により、紋別周辺海域における海洋環境及び動・植物プランクトンと環境との相互作用に関する季節変化の概要が明らかにされるとともに、これまで解明されていない流氷期における海洋環境に関する貴重なデータを入手することができたところであります。
今後とも、オホーツク海域の環境保全と漁業振興に生かすため、沿岸域の流氷分布、海洋環境調査・観測などの基礎データの充実と調査研究を進めてまいります。
国際交流につきましては、東日本大震災により延期しておりましたニューポート市提携45周年の親善訪問団を派遣するほか、コルサコフ市のヨット訪問団の受入れなど、相互の人的交流を継続するとともに、経済交流の発展に向けた取組を検討してまいります。
第28回を迎える北方圏国際シンポジウムにつきましては、国内に類を見ない流氷をテーマとしたシンポジウムであり、これまで氷海に関わる研究発表や情報交換を行う場として、地元産業界をはじめ国内外の研究者から高く評価されております。
また、近年では、市内中高生による「自然・体験学習」の発表の場として、教育シンポジウムのプログラムが組み込まれるなど、国際社会で活躍する人材を育成する場への拡がりをみせております。
今後も、市民ボランティアの手づくりによる国際シンポジウムが、貴重な財産として育まれ、持続的に展開していけるよう支援してまいります。
地域間交流・定住・二地域居住につきましては、引き続き「札幌南区子ども会」をはじめとする都市部児童生徒との交流や大学駅伝チームなどのスポーツ合宿誘致、姉妹都市を中心とした国際交流を推し進め、多様な交流活動の機会を確保してまいります。
スポーツ合宿誘致事業につきましては、本年度、市民や協力団体などによるサポート組織を立ち上げ、官民一体となって市民との交流と受入体制の充実を図ってまいります。
また、移住促進事業につきましては、釣り体験など地域の特色を生かした体験メニューの充実を図るとともに、既に移住された方々のご協力をいただいて、おためし暮らし体験者との懇談の場を設け、移住に向けての不安解消や本市の魅力、楽しみ方などを語らう機会を拡充し、移住及び二地域居住に繋げる取組を積極的に展開してまいります。
空港の利用促進につきましては、今後の搭乗実績によっては路線存続の危機に直面するおそれがあることから、冬季観光シーズンが終了する3月から花観光シーズンが到来する5月までの閑散期における搭乗率が極めて重要であります。
このため、搭乗率向上対策として、先の第2回市議会臨時会におきまして、新年度速やかな事業展開を行うべく、債務負担行為の議決をいただいたところでありますが、地域特性を生かした魅力あるツアー商品や格安プランの開発強化に加え、従来の市民割引制度などの大幅な拡充対策を打ち出すことにより、既存利用者へのさらなる利用増と新規需要の開拓を図り、東京直行便の路線維持・確保に取り組んでまいります。
オホーツク紋別空港は、本市をはじめ圏域町村にとって、地域の活性化を図る上で、なくてはならない重要な財産であります。
圏域町村及び関係団体と連携し、搭乗率60%確保に向けた活動を行ってまいりますので、市民の皆さんの積極的な利用を是非お願いいたします。
港湾整備につきましては、港内静穏度を確保するため、引き続き本港地区の北波除堤の改良工事に取り組むほか、漁港区内の老朽施設の計画的な更新に取り組んでまいります。
また、港湾施設の利用促進を図るため、クルーズ船誘致事業として、帆船「日本丸」を誘致いたします。
紋別港は、地域の産業を支える物流拠点であり、災害時において緊急物資などの輸送基地として重要な役割を担うことから、引き続き整備予算の確保に向け、国に要請してまいります。
道路整備につきましては、地域の経済活性化と医療の確保、さらに災害に強い地域づくりを進める上で、道央圏・道北圏とオホーツク圏を結ぶ高規格幹線道路網の形成が必要不可欠であります。引き続き早期の全線開通に向け、国や関係機関に対して、強く要請してまいります。
また、国道238号紋別湧別間の防雪事業につきましては、本年度も沼の上地区の改良工事などを進める予定となっておりますが、一日も早い完成に向けて、引き続き国に要請してまいります。
このほか、道道紋別丸瀬布線につきましては、道路利用者の利便性向上と交通量増加に伴う安全確保対策のほか、附帯施設などの整備を北海道に要請してまいります。
さらに、広域的な美しい景観づくりや魅力ある観光空間づくりに向け、引き続き民間団体や国などの関係機関とともに「シーニックバイウェイ」の推進体制を構築してまいります。
バス輸送の充実につきましては、引き続き上渚滑及び滝上線などの生活バス路線の運行を確保するほか、昨年10月から予約バスとして実証運行しておりました上藻別線につきましては、本年4月から本格運行いたします。
国土交通省の法定協議会として設置した紋別市地域公共交通活性化協議会は、地域公共交通総合計画の事業期間である3年を経過いたしましたが、任意組織として継続し、引き続き住民の利便性の確保と効率的な運行に向け、取り組んでまいります。
情報・通信につきましては、災害時における北海道との通信手段の確保を図るため、老朽化している総合行政情報ネットワークの機器を更新するほか、事業主がインターネットを利用して市税の申告を行う「電子申告システム」を整備し、事業主の事務の負担軽減を図ってまいります。
また、住民基本台帳法の改正に伴う外国人登録につきましては、引き続きシステム改修を行い、外国人住民のサービス及び利便性の向上を図ってまいります。
第六に、「市民が行動、参画するまちづくり」であります。
少子高齢化、核家族化が一層進展する中で、地域コミュニティ活力の低下が問題となっております。東日本大震災を教訓に、町内会などのコミュニティ活動への支援を強化し、住民の連帯意識・自治意識の高揚と相互交流、相互扶助の推進に努めてまいります。
また、地域の課題を地域自らの発想や創意工夫により解決する取組が求められるなか、市民ニーズの多様化・高度化に対応し、市民と共に考え行動する行政組織と職員の人材育成に取り組んでまいります。
市民との協働につきましては、市民ニーズに的確に対応した行政サービスを展開するため、引き続き市民の声ネットワーク事業及び市長室開放事業を実施し、広く市民の声をお聞きする機会を確保するほか、広報もんべつやホームページにより、分かりやすい情報の提供に努めるとともに、新たに津波・洪水ハザードマップを折込んだ市民便利帳を配布し、公共サービスの内容や手続情報の周知を図ってまいります。
また、町内会は、過疎化・高齢化に伴う会員数の減少や担い手不足により、相互扶助機能を維持することが難しくなってきております。このため、本年度、地域コミュニティ活動に係る各種補助制度を見直して、新たに「地域コミュニティ交付金」として統合し、町内会活動や地域づくり活動の活性化に支援してまいります。
男女共同参画につきましては、社会情勢の変化と本市の実情に応じた施策の展開を図るため、本年度、「男女共同参画プラン」の実施項目を見直し、意識の高揚に努めてまいります。
行財政運営につきましては、社会情勢の変化や多様化する市民ニーズを的確に捉えた行政サービスを展開するため、組織機構や事務事業の不断の見直しを重ね、効果的・効率的で持続可能な行財政運営に努めてまいります。
また、市税等の収納率向上対策として、本年5月から軽自動車税のクレジットカード収納を導入し、市民が納税しやすい環境整備に取り組むとともに、引き続きコンビニ収納や徴収嘱託員の配置などを行ってまいります。
市立保育所につきましては、昨年4月に、幼保一元化の動きのなかで、市内の民間幼稚園が認定こども園を開設し、保育所としての運営が開始されたところであり、今後予定されている新しい保育制度の動向を見据えながら、保育所定員及び施設規模の見直しに取り組んでまいります。
学校給食調理場の統廃合と民間委託化につきましては、少子化等の進行を踏まえつつ、適切な施設規模を確保するため、職員組合との合意形成に向け、教育委員会とともに、引き続き取り組んでまいります。
職員教育と人材育成につきましては、地域主権時代にふさわしい行政運営を推進する職員を育成するため、「紋別市職員人材育成基本方針」に基づき、既存の職員研修のあり方や研修内容を見直し、ライフサイクルとキャリアアップを見据えた戦略的かつ体系的なプログラムを実施するとともに、本年度から年次的に取り組む目標管理型の「行政評価システム」を通じて、事務事業の評価分析を行い、職員の行政経営担当者としての意識改革を推進してまいります。
広域行政につきましては、西紋別地域や遠紋地域において医療、介護、ごみ、消防をはじめ、交通、観光、企業誘致などの分野で地域間連携による取組を進めておりますが、今後も広域での取組が市民サービスの向上に繋がる事務事業を積極的に推進し、多様な連携のあり方を検討してまいります。
次に、平成24年度紋別市各会計予算案についてご説明申し上げます。
政府は、平成24年度予算につきまして、「日本再生元年予算」と位置付け、東日本大震災からの復興、経済分野のフロンティアの開拓、分厚い中間層の復活、農林漁業の再生、エネルギー・環境政策の再設計の5つの重点分野を中心とし、併せて、地域主権改革を確実に推進することを基本方針といたしました。
本年度の地方財政は、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が緩やかに回復する一方で、社会保障関係費の自然増や公債費が高い水準で推移することなどにより、依然として大幅な財源不足が生じるものと見込まれました。
このため、中期財政フレームに沿って、社会保障関係費の自然増や地域経済の基盤強化などに対応する財源を含め、地方の一般財源総額を平成23年度地方財政計画と実質的に同水準になるよう確保することを基本として対応が行われたところであります。
国においては、財政健全化に向けて、国債発行額の抑制や歳出の大枠を定めるなど、財源確保が難しいなかにあって、地方の自主的・自律的な施策の推進が図れるよう、配慮がなされたものと評価しているところであります。
この結果、本年度の地方財政計画の規模は前年度比6,407億円減の81兆8,647億円、地方一般財源の総額は、前年度比1,251億円増の59兆6,241億円となりました。
本市の平成24年度予算編成は、医療・福祉関係費の自然増や、公債費が高水準で推移する一方、市税をはじめとする一般財源の減収から、多額の財源不足が見込まれました。
このため、経常的経費についてはゼロベースによる経費の見直しを行い、前年度に比較し0.7%を減じたところであります。
このような状況にあっても、政策的経費については、本年度稼働する一般廃棄物処理施設の整備や喫緊の課題である地域医療確保対策、さらには農林水産業をはじめ、本市産業の基盤充実に重点的に財源の配分を行うとともに、現下の経済情勢を鑑み、13か月予算として、先の第2回市議会臨時会の補正予算と一体的な編成を行い、必要な事業量を確保いたしました。この結果、政策的経費は、前年度比4.5%増となり、財政調整基金繰入により、財源を確保したところであります。
以上の結果、本年度の一般会計の予算規模は、前年度予算に比較し、1億2,215万1千円、0.8%増の152億4,498万2千円となりました。
これに見合う財源は、
一般会計の予算規模
市税 | 26億1,062万3千円 |
---|---|
地方譲与税 | 1億8,403万円 |
地方消費税交付金 | 2億6,973万1千円 |
地方交付税 | 67億8,000万円 |
分担金及び負担金 | 2億1,437万9千円 |
使用料及び手数料 | 4億2,108万8千円 |
国庫支出金 | 16億6,051万8千円 |
道支出金 | 6億6,821万8千円 |
財産収入 | 1億1,069万2千円 |
繰入金 | 4億7,049万2千円 |
市債 | 14億9,840万円 |
その他 | 3億5,681万1千円 |
合計 | 152億4,498万2千円 |
となっております。
歳入の主なものについてご説明いたします。
最初に、市税でありますが、市民税は、個人市民税において、漁業所得が昨年に引き続き好調であったことから、6.2%の伸びとなったものの、法人市民税においては、製造業の落ち込みにより前年度並みとなりました。
一方、固定資産税は、3年に一度の評価替の影響による地価の下落や家屋の減価が要因となり、7.0%の減収を見込み、市税総体では、前年度に比較し1.3%減の26億1,062万3千円を計上いたしました。
次に、地方交付税でありますが、総額では、地域主権改革に沿った財源の充実を図るため、増額確保され、前年度比0.5%増の、17兆4,545億円となりました。国の算定指針に基づき推計した結果、普通交付税においては、前年度比、4.4%増、特別交付税においては、広域紋別病院に係る特殊財政需要が算定されることなどから、16%増を見込み、合わせて5.8%増の67億8千万円を計上いたしました。
次に、繰入金でありますが、財政調整基金など4億7,049万2千円を計上いたしました。
次に、市債でありますが、建設事業等に充てる通常債のほか、地方交付税からの振替相当額として臨時財政対策債5億1,440万円を合わせ、14億9,840万円を計上いたしました。
一方、歳出につきましては、厳しい財政環境にありますことから、前段申し上げました政策課題に着実に取り組むため、重点的で効率的な施策の展開に努めるべく編成いたしました。
次に、特別会計でありますが、8会計の総予算額は、57億6,525万8千円となり、前年度と比較し1億437万円、1.8%の増となりました。
各特別会計の予算額は、
特別会計の予算額
国民健康保険事業特別会計 | 29億2,028万円 |
---|---|
港湾埋立事業特別会計 | 2億8,123万2千円 |
簡易水道事業特別会計 | 4,336万5千円 |
交通災害共済事業特別会計 | 3,854万1千円 |
土地取得事業特別会計 | 5億1,553万5千円 |
営農飲雑用水道事業特別会計 | 4,079万8千円 |
介護保険事業特別会計 | 16億2,739万3千円 |
後期高齢者医療事業特別会計 | 2億9,811万4千円 |
となっております。
主なものについてご説明いたします。
最初に国民健康保険事業特別会計でありますが、保険税改正につきましては、賦課限度額を現法定限度額との差額4万円を引き上げ77万円にしようとするものであります。
次に、港湾埋立事業特別会計でありますが、累積赤字は平成23年度末で約1億8,000万円に達すると見込まれます。このため、長期収支計画に準じ累積赤字抑制に努めるとともに、工業用地の処分に努めてまいります。
次に、介護保険事業特別会計でありますが、第5期介護保険事業計画に基づき、介護給付費を試算した結果、保険料の基準月額を現行の2,600円から、3,700円に引き上げようとするものであります。
次に、後期高齢者医療事業特別会計でありますが、平成24年度は保険料の改定年であり、北海道後期高齢者医療広域連合において、一人当たりの平均保険料年額を現行の64,980円から、66,589円に引き上げ、また、賦課限度額についても現行の50万円から55万円へ引き上げることとされました。
以上により、一般会計、特別会計を合わせた予算の総額は、210億1,024万円となり、前年度と比較いたしますと、2億2,652万1千円、1.1%の増となりました。
最後に、公営企業会計でありますが、水道事業予算につきましては、条文形式予算第3条の収益的支出予定額は、7億3,882万8千円を計上し、これに対応する財源は給水収益などで措置し、予算第4条の資本的支出予定額は3億6,807万1千円を計上し、これに必要な財源は企業債及び内部留保資金などで補填することといたしました。
また、下水道事業予算につきましては、条文形式予算第3条の収益的支出予定額は、8億9,472万円を計上し、これに対応する財源は下水道使用料及び一般会計負担金などで措置し、予算第4条の資本的支出予定額は8億7,998万1千円を計上し、これに必要な財源は国庫補助金、企業債及び内部留保資金などで補填することといたしました。
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総務部/企画調整課
電話:0158-24-2111