平成27年度市政執行方針

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市政執行方針(平成27年第1回紋別市議会定例会)

平成27年第1回紋別市議会定例会の開会に当たり、私の市政に対する執行方針を申し上げ、議員の皆さん並びに市民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 我が国の経済は、「アベノミクス」の実施により、回復基調にあるとされておりますが、地方や中小企業においては、急速な円安を背景とした原材料価格やエネルギーコストの上昇に加え、昨年4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動などにより、成果を実感できていない状況にあります。

 このような中、第3次安倍政権は、経済の好循環を確かなものとし、「アベノミクス」の成果が地方へ広く行き渡ることを目指し、消費税再増税を延期するとともに、「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」を取りまとめ、これを中心とした補正予算を、間断なく平成27年度当初予算へとつなげていくこととしました。

 また、我が国が直面する地方創生・人口減少という構造的課題に総力を挙げて取り組むため、今後5か年の政策目標や基本的な方向性を示す「総合戦略」を策定し、地方の活性化を進めようとしているところであります。

 本市をはじめ、地方の自治体は、国の動向に関わらず、かねてより、まちの発展と存続をかけ、人口減少対策や地域の活性化に向けた飽くなき挑戦を続けており、今後とも、全力を挙げて取り組むことは言を俟たないものであります。   
 同時に、我が国の発展は、地方の経済再生と人口減少の克服なくして成し得ないものであります。
 国においては、地方が真に実効性のある地方創生に取り組むことができるよう、個々の自治体では解決できない構造的な課題の解決、社会資本整備の促進などに、積極的に取り組まれることを強く期待しているところであります。

 さて、私は、平成17年6月に、市長という重責を担わせていただいてから、間もなく10年という節目を迎えようとしております。

 この間、多くの試練に真正面から立ち向かい、地域経済への波及効果が期待できる「よつ葉生クリーム工場」や「木質バイオマス火力発電所」の誘致など、様々な事業に取り組んできたところであります。
 特に、「休日夜間急病センター」の開設や「広域紋別病院」の移管と改築、「中心市街地」における新たな居住空間の創出、「道立オホーツク流氷公園」の全面開園や「紋別・羽田直行便」の通年運航再開など、「地域医療」「中心市街地」「観光」の3つの再生に全力を挙げて取り組み、これらの取組は着実に軌道に乗りつつあります。
 昨年の市制施行60周年記念式典では、市内の小中学校、高校及び特別支援学校の子どもたちが、紋別への想いや未来への決意を表明いたしました。
 「かけがえのない『ふるさと紋別』をいつまでも大切に守り育ててほしい」という純粋な想いに溢れるメッセージや、将来の夢の実現に向けた真っ直ぐで前向きな姿は、私の心を熱くし、現状に甘んじることなく、常にチャレンジすることの尊さを改めて教えてくれました。

 刻々と変化する時代の潮流の中にあって、これからも、幾多の困難が立ちはだかるであろうことは覚悟の上でありますが、明るい可能性に満ち溢れた「ふるさと紋別」を、しっかりと未来へ引き継いでいくことが、私の責務であります。
 そして、私を信頼し、応援してくださる多くの市民の皆さんの期待に応えるべく、安心な暮らしの確保や、将来への明るい希望と持続的な発展に向けた道筋を確固たるものとするため、10年という節目を迎える今こそ、自らの信念を一層強く胸に抱き、私の持てる力を余すことなく発揮し、怯むことなく、恐れることなく、未来への歩みを加速させていかなければならないと、決意を新たにしているところであります。

 このため、平成27年の市政運営に当たりましては、3つの再生の更なる推進に重点的に取り組むとともに、基幹産業の基盤整備、地域コミュニティや福祉の充実を図るなど、このまちの社会経済基盤を揺るぎないものに押し上げてまいります。

 また、人づくりがまちづくりの基本であるという思いを胸に、次代を担う若者たちが困難に立ち向かうための強い精神力と故郷への愛着心を養うとともに、無限の可能性を秘めた子どもたちに優しさやいたわりの心を育みながら、人の心を大切にする温かなふるさとづくりに取り組んでまいります。

 そして、これまでの取組が、着実に実を結び、豊かな自然の恵みに溢れたオホーツクの大地に息づく「ふるさと紋別」ならではの、新たなる発展へとつながるよう、これまでの歴史の歩みや先人達の英知にも学び、進むべき道筋をしっかりと見定めながら、今後とも、市政運営に全力を尽くしてまいります。

 以下、平成27年度の主要な施策の概要につきまして、本年第2回臨時会及び本定例会における地方創生関連の補正予算事業と併せ、第5次紋別市総合計画のまちづくりの基本目標に沿って、申し上げます。

第一に、「確かな産業を育てるまちづくり」であります。

農業につきましては、収益性の高い経営基盤の強化に向け、引き続き、畜舎などの整備に支援し、国際的な競争に耐え得る足腰の強い酪農家の育成を推進するほか、新規就農者に対する経済的な支援を行うなど、担い手の確保・育成に取り組んでまいります。
 
 林業につきましては、木材の安定供給体制を構築するため、引き続き、路網整備などによる低コスト林業に向けた取組を推進してまいります。
 また、森林認証材を活用した紋別産クラフトの商品開発に取り組むとともに、東京オリンピック・パラリンピック関連施設への認証材の利活用の促進に向けて、関係機関へのPR活動を強化してまいります。

 木質バイオマス火力発電につきましては、燃料としての林地未利用材を安定的に収集・運搬する体制を確立し、新たな雇用の創出や、林業事業体の経営環境の向上、森林環境の保全など、「林業の好循環」を促進するため、オホーツク中央森林組合及び紋別木材協同組合に対する支援制度を創設してまいります。
 また、発電所の温排水やバイオマス燃料などを活用した植物工場の建設に向け、調査・検討を進めてまいります。

 漁業・水産加工業につきましては、漁獲から加工・流通のあらゆる過程において不可欠な氷を安定的に供給するため、水産業全体の一体的な生産基盤として漁業協同組合が取り組む製氷施設の再整備に支援してまいります。
 商業等につきましては、水産加工品を中心とする地元産品の販路拡大に向け、水産加工開発協会や観光協会物産部会などが行う新たな流通ルートの開拓や、新千歳空港などにおけるアンテナショップ開設に向けた取組を支援するとともに、「ふるさと納税」に対する記念品の種類を拡充するなど、更なる魅力の発信に努めてまいります。
 また、「プレミアム付き商品券発行事業」を実施するなど、市民の消費意欲の喚起に取り組んでまいります。
 さらに、紋別市中小企業振興資金の融資枠を拡大し、市内企業の円滑な資金調達を応援してまいります。

 中心市街地につきましては、「まちづくりビジョン」の具現化に向け、まちなか居住の更なる推進を図るとともに、中心市街地における創業を促し、消費者ニーズに対応した商業環境づくりを進めるため、空き店舗を利用した「チャレンジショップ支援事業」を創設いたします。
 また、商業施設等の整備につきましては、商業者や地権者などとの協議を深めながら、エリアの選定や事業手法などを検討してまいります。
 さらに、まちなかでイベントを実施する若手商業者グループなどの自主的な活動に支援し、リーダーの育成を後押しするほか、引き続き、「まちなかラベンダーガーデン」を開園するなど、賑わいの創出に努めてまいります。
 
 観光につきましては、「ガリヤゾーン」において、アザラシの自然の営みを再現する観光施設を新設するとともに、「公衆無線LAN」いわゆる「Wi-Fi環境」を構築するなど、新たな魅力創出と利便性向上に向けた基盤整備を進めてまいります。
 また、咋年に続き、海外の旅行エージェントを招聘するとともに、新たに台湾において旅行商談会を開催するなど、外国人観光客の誘致に向けた取組を積極的に展開してまいります。
 さらに、観光施策による経済効果の恩恵を市内で広く享受し、「観光が産業として成り立つまち」とするため、商業者との意見交換を開催するなど、多種多様な観光ビジネスの創出に向けた環境づくりやその手法の確立に努めてまいります。

 雇用につきましては、安定的な企業経営や地域の過疎化抑制を図るため、大都市からの人の流れの創出と労働力の確保に向け、本市への移住を促す助成制度を創設するなど、UIJターン事業を積極的に展開してまいります。

第二に、「安心して健やかに暮らせるまちづくり」であります。

医療につきましては、広域紋別病院が移転改築し、本年4月20日から、外来診療が始まります。医療は、住み慣れた地域において安心して暮らし続けるために不可欠な社会基盤であり、安定した医療を提供するには、医師や看護師など、医療従事者の確保が最も重要であります。
 開院を契機に、なお一層、企業団との連携を密にし、医育大学や北海道への医師派遣の要請活動を強めるとともに、道内外の医療機関等に対しても働きかけを拡げるなど、市民の期待に応え得る病院づくりに全力を尽くしてまいります。
 なお、現広域紋別病院跡地につきましては、敷地全体の利活用に向けて協議を重ねてきたところであり、地域住民の意向などを踏まえ、更に検討を深めてまいります。

 地域福祉につきましては、個々人のライフスタイルや心身の状態に応じ、保健・医療・福祉が包括的に連携したサービス提供体制を構築するため、引き続き、医療と介護が連携した「在宅医療」の確立に取り組むとともに、近年、増加傾向が見受けられる発達障害など、心身に障害を抱える子どもたちに対する円滑な支援体制の構築につなげていくことを目的に、新たに「育ちの手帳」の作成に取り組んでまいります。
 
 子育て支援につきましては、本年4月に開設する新紋別保育所において、「病後児保育」を開始するとともに、保護者の疾病や冠婚葬祭などにより、一時的に児童の養育が困難となった際に、一定期間、児童を保護する「子育て短期支援事業」を新たに実施するほか、日常の突発的な事情や育児疲れなどに対応するため、「一時預かり事業」を市内の認定こども園等に委託するなど、「子ども・子育て支援新制度」の下、多様な保育ニーズに対応した環境づくりを進めてまいります。
 また、築後40年を経過し、老朽化の著しい上渚滑児童館の移転建替えを行い、地域の児童が安全で活動しやすい環境を整えてまいります。

 障害者福祉につきましては、新広域紋別病院内に、心身に障害のある方々が中心となって運営する「カフェ」や、「氷紋の駅」内の「福祉ショップ かもめ」に支援するなど、障害者の社会参加機会の創出や就労支援を進めてまいります。

 高齢者福祉につきましては、特別養護老人ホーム安養園の増床整備に支援し、入所待機者の解消に取り組むとともに、地域包括支援センター及び訪問看護ステーションをまちなかに移転し、在宅福祉サービスの利便性の向上を図るなど、高齢者のニーズに対応したサービス提供に努めてまいります。
 
 保健・健康づくりにつきましては、子宮頸がん検診及び乳がん検診の未受診者に対し、計画的な受診勧奨や検診費用の助成を行うほか、高齢者の肺炎球菌ワクチン接種対象者を市独自に拡充するなど予防に重点を置いた保健サービスの充実に取り組んでまいります。

 社会保障につきましては、生活困窮者が抱える多様な課題に対する包括的な相談窓口を設置し、就労支援や住宅助成を実施するなど、適切な指導及び自立に向けた支援に取り組んでまいります。
 また、昨年に引き続き実施される「臨時福祉給付金」及び「子育て世帯臨時特例給付金」の円滑な支給に取り組んでまいります。

 国民健康保険事業につきましては、財政の健全化と事業の安定運営を図るため、賦課限度額の引き上げを行う一方、所得の低い世帯に対し、経済的負担の軽減を図るため、一定所得以下の加入世帯に対する税の軽減措置を拡充してまいります。

 後期高齢者医療につきましては、広域連合と連携を図りながら、現行制度の円滑な運営に努めてまいります。

 介護保険事業につきましては、平成27年度から3か年で実施する「第6期紋別市介護保険事業計画」に基づき、介護保険法の改正に伴う「介護予防・日常生活支援総合事業」、「在宅医療と介護の連携推進」、「認知症施策の推進」など、新たな地域支援事業の実施に向けて、関係機関と協議を進めてまいります。
 また、安定的な事業運営を確保するため、所得の低い方に配慮した保険料の見直しを行うとともに、社会福祉法人による介護サービスの利用者負担軽減事業を新たに実施してまいります。

第三に、「快適な環境で暮らせるまちづくり」であります。

 住環境につきましては、戸建住宅の耐震化や省エネルギー・バリアフリー化など、住宅機能の向上を図るための助成制度を新設し、良質で快適な住宅環境づくりを推進してまいります。
 また、まちなか居住の定着を図るため、中心市街地への新たな市営住宅の整備を進めてまいります。
 なお、住居表示につきましては、落石町4丁目地区及び南が丘町7丁目地区を整備してまいります。

 生活道路につきましては、新広域紋別病院に近接する「落石第4号線」及び「落石第19号線」のほか、南が丘児童館に隣接する「南が丘第12号線」の改良・歩道整備を行うとともに、紋別の玄関口であるオホーツク交流センター周辺の道路街路灯をLED化するなど、安全・安心な道路環境と歩行空間の確保に努めてまいります。

 上水道につきましては、市民に対し、安全で良質な水を安定供給するため、老朽化が進む渚滑川取水口から渚滑ポンプ場までの導水管の更新などに引き続き取り組むとともに、浄水施設の耐震化に向けた簡易診断を実施してまいります。
 また、平成28年度に稼働予定の木質バイオマス火力発電所に対する給水確保のため、花園浄水場の配水池を増設するほか、浄水場から発電所までの配水管布設に、引き続き取り組んでまいります。

 簡易水道・営農用水道につきましては、各地区の老朽管を更新するとともに、上渚滑地区浄水場の老朽設備の改修を行うなど、安定供給に努めてまいります。

 下水道・生活排水処理につきましては、河川などの公共用水域の水質保全や施設老朽化を起因とする事故を未然に防止するため、アクアセンターの老朽設備更新や管渠の改築工事に、計画的に取り組んでまいります。

 防災につきましては、近年、全国各地で発生する自然災害の状況を踏まえ、市のホームページや登録制メールを活用した迅速かつ適切な災害情報の提供を行うほか、町内会への情報伝達体制を構築するなど、減災に努めてまいります。
 また、引き続き、地域防災計画をはじめ、各種災害対応マニュアルを適時適切に見直すとともに、災害時における要配慮者に対する支援体制の充実強化を図ってまいります。

 消防・救急につきましては、迅速な消防・救助活動を行うため、救助資機材の充実を図るとともに、引き続き、老朽化した消火栓設備の計画的な更新を行い、消防力の強化を図ってまいります。

 公園・緑地につきましては、大山団地内広場に水飲み場を整備し、子ども達や高齢者など周辺住民が集う環境づくりに取り組んでまいります。

 廃棄物処理につきましては、老朽化した資源ごみ収集車両を更新し、安定した家庭ごみの収集体制を確保してまいります。

第四に、「いきいきと学び続けるまちづくり」であります。

幼児教育につきましては、幼児教育と保育を一体的に提供する「幼保連携型認定こども園」を開設予定の学校法人に対し、施設整備費用の一部を支援し、多様な子育てニーズに対応した環境づくりを進めてまいります。
 また、子育て支援の拠点である「子育て支援センター」の養育講座の充実を図るとともに、本年4月に開設予定の紋別児童センターを子育て支援センターのサブステーションとし、子育てに関する様々な情報の提供と交流機会の充実に努めてまいります。
 さらに、幼児期から、正しい食器の配置や箸の使い方に慣れ親しむよう、新たに、「7か月児健診」において、森林認証材を使用した食器類を贈呈する「食育スタート事業」に取り組んでまいります。

 義務教育につきましては、昨年、きめ細かな指導を行うことを目的に、小学校に導入いたしました「学習サポーター」を増員配置し、長期休業期間における補充学習の充実や、小規模校への巡回派遣など、基礎学力の定着と意欲的に学ぶ環境づくりを推進してまいります。
 また、紋別小学校の耐震改修工事の実施に併せ、「ことばの教室」を余裕教室に移転するほか、老朽化の著しい児童遊具施設を改修するなど、安全性に配慮した学校施設の整備に努めてまいります。
 なお、老朽化が進む市内6か所の学校給食調理場につきましては、施設を統合・集約し、衛生管理の更なる強化と効率的な運営を図るため、新たな給食センターの建設及び調理業務の民間委託化を進めてまいります。

 特別支援教育につきましては、西紋別地域における療育拠点施設として、療育センターに言語聴覚士の資格を有する職員を専任配置し、体制の充実を図ってまいります。
 
 生涯学習につきましては、開設後50年が経過し、老朽化の著しい「青年の家」の建替えに向け、候補地の選定、施設の整備手法及び活用方策など、外部有識者の意見を取り入れながら、今後の取組方針を具体化させてまいります。

 青少年活動につきましては、留守家庭児童園における通園対象児童を、小学3年生から6年生まで拡大し、保護者の負担軽減と児童の安全な居場所づくりに努めてまいります。

 芸術・文化につきましては、「オホーツク紋別音楽セミナー」の開催及び「ホットランドオホーツク」の活動に引き続き支援するとともに、市民会館の映像設備を更新するなど、優れた芸術文化に触れる機会の充実と、市民参加型の文化事業の企画や普及振興に努めてまいります。

 スポーツ・レクリエーションにつきましては、市民の競技レベル向上のため、健康プールステアの競技用プールのスタート台を更新するとともに、市営球場のスコアボードを国際慣習に倣った表示形式に改修するなど、体育施設機能を充実してまいります。

第五に、「オホーツクの個性を活かした交流のまちづくり」であります。

 オホーツクプログラムにつきましては、大学や研究機関と連携し、引き続き、オホーツクタワーを観測拠点とした海象情報の収集や解析、水質や海洋生物のモニタリング調査などに取り組み、海洋保全や産業振興に貢献することを目的とした研究活動を展開してまいります。
 また、北海道大学が所管するドップラーレーダーを活用し、海象・気象に関する情報収集及び分析に取り組んでまいります。

 国際交流につきましては、「青少年サハリン・北海道『体験・友情』の船派遣事業」を通じて、小中学生をサハリン州へ派遣し、青少年の国際理解の促進に努めるとともに、コルサコフ市からのヨット訪問団の受入などにより、市民交流の進展に努めてまいります。

 地域間交流につきましては、宮崎県国富町との物産交流事業を通じて、地元産品のPRに取り組むほか、持続的な地域間交流の可能性について、検討してまいります。

 移住・二地域居住につきましては、引き続き、「お試し暮らし」に取り組むとともに、オホーツクならではの冷涼な気候を活かした避暑地としての可能性を研究するなど、新たな交流人口の拡大に向けた施策検討に取り組んでまいります。
 また、住まい、教育、医療などの生活情報や雇用情報などを取りまとめた「移住希望者向けのPR動画」を作成し、市ホームページなどを通じて発信することで、本市への移住を促す取組を進めてまいります。

 オホーツク紋別空港につきましては、旅行エージェント対策をはじめ、昨年、国の補助採択を受けた「地方航空路線活性化プログラム」を活用した首都圏での観光PR活動や空港の知名度アップに積極的に取り組み、東京直行便の安定的な通年運航の確保はもとより、羽田線の複便化や新千歳線の再開なども視野に入れながら、搭乗者数の増加に向け、全力を尽くしてまいります。

 港湾につきましては、引き続き、港湾施設の利用促進に向けたポートセールスに取り組むとともに、漁港区における水産物の衛生管理体制の強化に向け、老朽化が進む第2船溜西岸壁の改良工事を進めるため、第1ふ頭南波除堤の新設工事を国へ要請してまいります。

 幹線道路につきましては、救急医療・産業・観光など、あらゆる社会経済活動を支える生命線でありますことから、旭川紋別間の高規格幹線道路の早期全線開通と、紋別湧別間の防雪事業の整備促進を国や関係機関に対して、強く要請してまいります。
 
 バス輸送につきましては、新広域紋別病院の開院に併せ、市内を運行する南循環線の一便を延長運行するとともに、郊外線の路線変更を行うなど、通院者などの利便性の向上に努めてまいります。

第六に、「市民が行動、参画するまちづくり」であります。

 市民協働につきましては、これまで、中心市街地における様々なイベント事業をはじめ、道路や港湾等の社会基盤整備を求める活動、地域における環境美化運動など、市民が主体的に行動する取組が着実に進展しております。今後とも、幅広い分野において、市民による積極的なまちづくり活動を支え、市民と行政による協働の街づくりを進めるため、引き続き、「地域コミュニティ交付金」や「もんべつ元気なまちづくり事業」など、地域住民の自主的な取組や公共的な活動に支援してまいります。
 また、町内会などが設置・管理する全ての街路灯を一括してLED化することで、防犯機能の向上や二酸化炭素排出量の削減を図り、安全・安心な生活環境を整えてまいります。

 男女共同参画につきましては、「第2次紋別市男女共同参画プラン」に基づき、男女が共に協力・参画する意識の醸成に向け、講演会やワークショップの開催に取り組んでまいります。

 行財政運営につきましては、複雑多様化する諸課題や市民ニーズ、時代の変化に的確に対応していくため、組織機構や事務事業の見直し、職員の資質向上に取り組み、市民から信頼される職員づくり、市民とともに歩む市役所づくりに、一層、努めてまいります。

次に、平成27年度紋別市各会計予算案についてご説明申し上げます。

 はじめに、一般会計でありますが、広域紋別病院移転関連事業が終了したことに伴い、予算総額は大きく減少したところであります。
 しかし、子ども子育て新制度への移行など新たな財政需要が増加したことから、昨年に引き続き基金や市債の活用などを行ってもなお、4億5,700万円が不足し、財政調整基金などの繰入れで対応しなければならない、大変厳しい編成となりました。
 
 まず、経常的経費につきましては、認定こども園運営費負担金や、生活保護費をはじめとする社会保障関係費の増加により、前年度に比較し、2.0%増の111億9,357万2千円となりました。

 また、政策的経費につきましては、前年度に比較し、26.7%減の58億269万9千円となっております。

 以上の結果、本年度の一般会計の予算規模は、前年度に比較し、18億8,659万4千円、10%減の169億9,627万1千円となりました。
 これに見合う財源といたしましては、

市税 27億8,474万9千円
地方譲与税 1億5,411万円
地方消費税交付金 4億6,497万4千円
地方交付税 70億円
分担金及び負担金 2億7,056万1千円
使用料及び手数料 4億2,372万4千円
国庫支出金 20億15万6千円
道支出金 12億3,087万5千円
財産収入 1億1,571万1千円
繰入金 6億1,700万5千円
市債 14億9,110万円
その他 4億4,330万6千円

 となっております。

 次に、歳入の主なものについてご説明いたします。

 最初に、市税につきましては、個人市民税は、前年度調定額には及ばないものの、堅調に推移したことから、前年度予算に比較し、4.4%の増を見込んでおります。
 また、固定資産税は、評価替えの年であり、土地については、地価の下落を反映し減となり、家屋についても、経年減価により減収となることから、4%の減を見込み、市税総体では、前年度に比較し、0.3%減の27億8,474万9千円を計上いたしました。

 次に、地方交付税につきましては、地方財政計画では、昨年に引き続き前年度を下回り、0.8%減の16兆7,548億円となっております。本市の普通交付税につきましては、国の算定指針を勘案し推計した結果、前年度算定額との比較では、0.4%増の61億円、また、特別交付税につきましては、2,000万円増の9億円と見込み、合わせて、70億円を計上いたしました。

 次に、繰入金につきましては、財政調整基金など6億1,700万5千円を計上しております。

 次に、市債につきましては、建設事業等に充てる通常債のほか、地方交付税からの振替相当額として臨時財政対策債3億1,330万円を合わせ、14億9,110万円を計上いたしました。

 一方、歳出につきましては、依然として厳しい財政環境にありますことから、前段申し上げました政策課題に着実に取り組むため、重点的かつ効率的な施策の展開に努めるべく編成をいたしました。

 次に、特別会計につきましては、八つの特別会計の総予算額は、64億1,196万6千円となり、前年度と比較し、1億2,974万8千円、2.1%の増となっております。

 それぞれの特別会計の予算額につきましては、

国民健康保険事業特別会計 33億4,682万1千円
港湾埋立事業特別会計 3億456万8千円
簡易水道事業特別会計 1億1,081万5千円
交通災害共済事業特別会計 4,245万6千円
土地取得事業特別会計 4億1,253万3千円
営農飲雑用水道事業特別会計 4,210万7千円
介護保険事業特別会計 18億3,314万7千円
後期高齢者医療事業特別会計 3億1,951万9千円

となっております。

 その、主なものについて、ご説明いたします。

 最初に、国民健康保険事業特別会計につきましては、国の法改正に合わせ、保険税の法定賦課限度額を改定させていただきます。

 次に、港湾埋立事業特別会計につきましては、第3ふ頭において建設が進んでいる木質バイオマス火力発電所が、補助燃料として使用するヤシ殻の堆積場舗装工事及び石炭ヤードの防塵ネット設置工事を行います。

 次に、介護保険事業特別会計につきましては、本年は、第6期介護保険計画の初年度となりますことから、介護給付費の増加に伴い、第1号被保険者の介護保険料の基準月額を、620円増の4,320円とさせていただきます。

 以上、一般会計、特別会計を合わせた予算の総額は、234億823万7千円となり、前年度と比較し、17億5,684万6千円、7%の減となっております。

 最後に、公営企業会計であります。

 まず、水道事業予算につきましては、条文形式予算第3条の収益的支出予定額を7億2,092万6千円と計上し、これに対応する財源として、給水収益などで措置するとともに、予算第4条の資本的支出予定額を13億9,117万7千円と計上し、これに必要な財源として企業債及び内部留保資金などで補てんすることとしたところであります。
 
 次に、下水道事業予算につきましては、条文形式予算第3条の収益的支出予定額を11億5,902万5千円と計上し、これに対応する財源として、下水道使用料及び一般会計負担金などで措置するとともに、予算第4条の資本的支出予定額を13億7,907万5千円と計上し、これに必要な財源として国庫補助金、企業債及び内部留保資金などで補てんすることとしたところであります。

 このほか、上下水道事業両会計においては、料金収入の減少に加え、電気料金の上昇や施設の老朽化に伴う修繕費等の経常的経費の増加により、収支の改善が急務であります。
 また、安定的な水道の給水や汚水の処理を行うためには、老朽施設の更新や耐震化などが欠かせないことから、経営基盤の強化を図るため、料金改定の検討を進め、必要な財源確保に努めてまいります。

 以上、平成27年度紋別市各会計予算案の大要について、ご説明申し上げました。

お問い合わせ

総務部/企画調整課

電話:0158-24-2111

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