令和2年度 紋別市 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における「学びの保障」ガイドライン
1 基本的な考え方
(1)趣旨
令和2年5月15日、6月2日、8月20日、10月30日に行われた紋別市教育課程臨時検討会議では、紋別市内小中学校における児童生徒の学びを保障するため、学校教育活動等の実施上の工夫や市全体で統一すべき対応等について検討されたところである。
本ガイドラインは、会議の検討内容をもとに、学校教育活動等の実施における指針を示すものである。
(2)ガイドラインの対象及び対象期間
本ガイドラインの対象は、紋別市内小学校、中学校とする。
また、本ガイドラインの対象期間は、紋別市感染症危機管理対策本部が設置されている期間とする。
(3)ガイドラインの内容
本ガイドラインの内容については、原則として地域の感染状況「レベル1」における学校教育活動実施上のガイドラインとして示している。今後の感染状況によって再検討が必要となる事項については、別途通知する。
参考通知
- 文部科学省「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」(一部抜粋)
新型コロナウイルス感染症については長期的な対応が見込まれるところであるが、こうした中でも持続的に児童生徒の教育を受ける権利を保障していくため、学校における感染およびその拡大のリスクを可能な限り低減した上で、学校運営を継続していく必要がある。 - 文部科学省「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における『学びの保障』の方向性について」(一部抜粋)
学校教育が協働的な学び合いの中で行われる特質を持つことに鑑み、授業時数の確保に努めることは当然のこととして、学校行事等も含めた学校教育ならではの学びを大事にしながら教育活動を進めていくことが大切である。
2 授業時数確保に関する対応
(1)長期休業における授業日の設定について
各教科別の標準授業時数を達成するため、長期休業を短縮して必要な日数を確保する。
夏季休業
- 小学校、中学校別に期間を統一する。(給食・スクールバスの関係)
- 夏季休業日については下記のとおり変更し、新型コロナウイルス感染症の第三、四波、インフルエンザ、吹雪等による臨時休業を想定した余裕時数を確保する。
- 小学校 夏季休業日
- 8月5日(水)~8月17日(月)
- 中学校 夏季休業日
- 8月8日(土)~8月17日(月)
※日数は統一するが、授業時間は各校の状況に応じて設定する。
冬季休業
学校規模や教育課程の違い等により必要な日数が学校によって異なるため、下記のとおり各校の状況に応じて設定する。
- 紋別小学校、南丘小学校
- 12月25日(金)~1月14日(木)
- 潮見小学校、上渚滑小学校
- 12月25日(金)~1月17日(日)
- 渚滑小学校、小向小学校
- 12月22日(火)~1月14日(木)
- 紋別中学校
- 12月25日(金)~1月11日(月)
- 潮見中学校
- 12月22日(火)~1月11日(月)
- 渚滑中学校
- 12月25日(金)~1月13日(水)
土曜授業の取扱いについて
授業時数確保のみを目的とした土曜授業は設定しない。
(3)行事等の取扱いについて
- 授業時数確保のみを目的とした行事の授業への振替は行わない。(感染防止による行事の実施判断は有り得る)
- 授業時数時数確保のみを目的とした週時数増は行わない。
参考通知
北海道教育委員会「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における『学びの保障』の方向性等について」(一部抜粋)
2(1)~(中略)~様々な要因により、今後、臨時休業を行うことも想定した計画を立てること。
(2)~(中略)~最終学年以外についても、児童生徒の負担に十分配慮した上で、今年度中に学習指導要領に示された内容を終えることとすること。
(3)~(中略)~長期休業期間の短縮については、これまでの臨時休業による欠席数や児童生徒の年間の生活リズム等を踏まえると夏季・冬季合わせて20日程度の登校日が想定されること。
3 学校行事に関する対応
学校行事は、換気、身体的距離の確保や手洗いなどの感染症対策を十分に行い、児童生徒の健康と安全を第一に実施すること。
(1)儀式的行事
ア 終業式・始業式
- 学校の状況(施設・児童生徒数等)に応じた形で実施する。
※Q&A 問44 感染拡大防止の措置、開催方式の工夫の例
イ 卒業式
- 参加者は、学校規模や会場の広さ等、学校の状況に応じて範囲を決定する。
- 参加者は全員マスク着用とする。
- 学校の状況に応じて、会場の変更や分散、リモートの活用、式次第の簡略化(※)等、3密が避けられるよう方法を工夫し実施する。(※例として、卒業証書の受け取りを代表者のみとする等)
- 歌唱(国歌、校歌、他)の対応については別途通知する。
(2)文化的行事
ア 学芸会・学校祭
- 感染防止の観点から、学芸会・学校祭は、実施しない
- ただし、各学校において実施可能な内容・方法で、各教科等の学習成果発表会などを行うことについては差し支えない。学習成果発表会等の実施については、各校で対応を検討すること
- 各教科等の学習成果発表会などを行う場合、保護者の観覧については、地域の感染状況を踏まえた上で、必要に応じて様々な感染リスクへの対策を講じるとともに、適切な方法を選択する。(例としては、分散開催、動画配信、DVD配布など)
※Q&A 問49 工夫の具体例
イ 芸術鑑賞
- 中止。(実行委員会による決定)
(3)健康安全・体育的行事
ア 二計測
- 2学期以降、実施可能とする。
※Q&A 問49 工夫の具体例
イ 交通安全教室
- 2学期以降、実施可能とする。
ウ 避難訓練・防犯訓練
- 短時間で実施する。
(4)旅行・集団宿泊的行事
ア 遠足
- 2学期以降、実施可能とする。
※Q&A 問49 工夫の具体例
イ 宿泊学習・修学旅行
- 旅行先の感染状況を十分に考慮しながら、2学期以降実施可能とする。(道教委6月12日付教義第284号通知に基づく)
- 旅行中の感染防止対策について事前指導を実施する。
- 同居家族も含めた出発前の健康観察を徹底し、発熱・体調不良者の参加は取り止める。
- 旅行中も定期的に検温する。
※Q&A 問45 実施について、問46 中止又は延期した場合のキャンセル料について
※一般社団法人日本旅行業協会「旅行関連業における新型コロナウイルス対応ガイドラインに基づく国内修学旅行の手引き」(6月3日公表、同23日第2版)
(5)その他
ア 美化・清掃
- 換気のよい状況で、マスクをした上で通常の清掃活動を行う。終了後手洗いを行う。大勢がよく手を触れる場所(ドアノブ、手すり、スイッチなど)は一日一回消毒を行う。これ以外の消毒作業を別途行うことについては基本的には不要。
- 通常の清掃活動の中にポイントを絞って消毒の効果を取り入れる。また、家庭用洗剤等を用いて、発達段階に応じて児童生徒が行っても差し支えない。
※「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~『学校の新しい生活様式』~(2020.9.3ver.4)P28~32
イ 給食
- 衛生管理を徹底した上で、通常の学校給食の提供方法(給食当番による配膳・片付け等)を開始する。
ウ 児童会・生徒会 委員会活動、行事
- 2学期以降、実施可能とする。
エ 部活動
- 可能な限り感染対策を行った上で通常の活動を行う。
オ 家庭訪問・二者面談
- 2学期以降、実施可能とする。
カ 参観日
- 2学期以降、学校規模に応じて実施方法を工夫する等して行う。
キ 4校交流学習
- 今年度の集合型の交流は実施しないが、可能な方法・範囲で交流する。
参考通知
文部科学省「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等に関するQ&A」
(2)各教科等の指導における感染症対策について
各教科等の指導については、(略)感染症対策を講じてもなお感染の可能性が高い学習活動については行わないこと。
4 各教科等の学習活動における対応
(1)各教科の学習活動における対応
全教科
(対応)
- 咳エチケット・マスク
- 身体的距離の確保
- 教室等のこまめな換気の徹底
- 児童生徒が密集して長時間活動するグループ活動は、マスクを付け、なるべく短時間で行うようにする。
理科
(学習活動)
- 児童生徒同士が近距離で活動する実験や観察
(対応)
- 換気、身体的距離の確保や手洗いなどの感染症対策を行った上で実施する。
音楽科
(学習活動)
- 狭い空間や密閉状態での歌唱指導や身体の接触を伴う活動
- リコーダーや鍵盤ハーモニカ等の管楽器演奏
(対応)
- 年間指導計画の中で指導の順序を変更すること。
- 歌う際にはできる限り一人ひとりの間隔を空け、人がいる方向に口が向かないようにすること。
- 換気、身体的距離の確保や手洗いなどの感染症対策を行った上で実施する。
家庭科
(学習活動)
- 調理などの実習
(対応)
- 年間指導計画の中で指導の順序を変更すること。
- 衛生管理をより一層徹底すること。
- 換気、身体的距離の確保や手洗いなどの感染症対策を行った上で実施する。
体育科
(学習活動)
- 児童生徒が密集する運動
- 児童生徒が近距離で組み合ったり接触したりする場面が多い運動
※当面の間、体育の授業開始時には準備運動を十分に行うよう留意
(対応)
- 年間指導計画の中で指導の順序を変更すること。
- 児童生徒が近距離で組み合ったり接触したりする場面が多い運動については、換気、身体的距離の確保や手洗いなどの感染症対策を行った上で実施する。
- 可能な限り授業を屋外で実施。ただし、気温が高い日は熱中症に注意すること。
- 児童生徒が集合・整列する場面を避ける。
- 授業の前後に手洗いを徹底する。
(学習活動)
- 水泳
(対応)
- 児童生徒の健康と安全を第一に年度内の実施可否を判断する。
- 最終学年については「学びの保障」の観点(年度内に全ての児童に学習指導要領に示された各教科等の内容を身に付けさせる)から、十分な対策を講じた上で、できる限り実施する方向で検討する。対策が十分に講じられない学校は今年度の実施を見送る。
- 最終学年以外の児童生徒について、従来の実施方法では市内複数校・複数クラスの重複が避けられないため、回数や内容を検討する。もしくは、必要に応じて5月15日付2文科初第265号通知2(2)1、2に基づく特例的な対応を検討する。
- 授業の実施にあたっては、感染防止の観点から1単一校、2単学級での実施を原則とし(少人数の学校はこの限りではない)、大人数での指導を避ける。
生活・総合・その他
(学習活動)
- 校外における学習
(対応)
- 2学期以降、実施可能な範囲で行う。
- 職場体験等における事業所訪問については、訪問先の受入れ状況によるため、確認の上訪問以外の方法(例としてリモート等)において学習できるようにしたりするなど、児童生徒の関心や疑問にできるだけ沿うよう工夫すること。ただし、食や福祉等、コロナ禍において対応が困難な事業所もあると考えられるため、訪問先の範囲を予め制限する等の措置も必要に応じて行うこと。
自立活動
(学習活動)
- マスク使用等の対応がとれない場合の近距離での会話や発声等
- 教師と児童の接触や児童生徒同士の接触
(対応)
- 指導計画や指導方法の見直し等を行う
- やむを得ない場合は一層の感染症対策を講じた上で指導を行う
参考通知
文部科学省「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等に関するQ&A」(5月21日時点)問35~41
文部科学省「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~『学校の新しい生活様式』~(2020.9.3ver.4)
(2)教育課程進行管理上の工夫
- 感染リスクの高い教科や学習活動は、換気、身体的距離の確保や手洗いなどの感染症対策を行った上で実施する。
- 道徳は各内容項目を優先して消化できるよう、指導計画を見直す。
- 総合は必要に応じて内容を再検討する。
- 中学校は、生徒の負担を考慮し、定期テストの実施時期を検討する。
- お問い合わせ
-
教育委員会/学務課指導主事
電話:0158-24-2111
内線:431