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21年所信表明

平成21年第2回紋別市議会定例会の開会にあたり、2期目の市政執行に臨む私の所信を申し上げ、議員の皆さん並びに市民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

私は、このたびの市長選挙におきまして、無投票での再選という結果を受け、引き続き市政の重責を担わせていただくこととなりました。ご支援をいただいた市民の皆さんに心から厚く感謝申し上げます。

この4年間、私は、常に市民の目線で、市民の声を市政に、そして公平公正な市政運営を基本に、医療危機、産業活性化、都市基盤や生活関連施設の整備など、様々な課題に全力で取り組んでまいりました。
このたびの無投票による再選は、これまで議員の皆さんや市民の皆さんと共に取り組んできたこれらまちづくりの方向に、一定の評価とご支持をいただいたものと思っておりますが、同時に、これからの紋別の舵取りを私に託された皆さんの思い、今後の市政執行に寄せる期待に身の引き締まる思いであり、市民の皆さんの安心・しあわせづくりとさらなる市勢進展のため、全力で課題に取り組み、市長としての職責を全うする決意を新たにしております。

私は、このまちに暮らす一生活者として、紋別が好きでふるさとを最も愛する者の一人であると自負しております。

市政を担当して以来、これまで様々な機会を通じ、多くの市民の皆さんと接してきた中で、意欲にあふれ、生活の向上や地域の可能性を思い描く素晴らしい方々に出会い、学び、ますますふるさと紋別が好きになりました。
この思いの輪を広げ、市民一人ひとりが、未来に向かって希望を持ち、「このまちが好きだ、住み続けてよかった」と誇りをもって言えるまち、さらに、「もっとこのまちを良くしたい、そのためにこうしたい」と情熱をもって語り合い、暮らしのあらゆる分野、生活のあらゆる場面で市民の力と意志が発揮できるまちにしたいと強く思っております。

私は、市長として、紋別市のあるべき姿と進むべき道筋をしっかりと見定め、市民の皆さんと共に、知恵を出し合い、汗を流し、力を合わせ、「市民本位の市政」、「公平公正な市政」を実行し、ひとつひとつ課題を着実に解決し、紋別の未来を切り拓いてまいります。

2期目の市政執行にあたりましては、1期目で取り組んでまいりました各種施策の成果を踏まえながら、今後10年のまちの将来の方向性を定めた第5次紋別市総合計画に掲げる施策の大綱に基づき、各分野での施策展開を図ってまいります。
以下、特に重要な課題の解決に向けた基本的な視点・方向性について、改めて表明をさせていただきたいと存じます。

一つに、安心・しあわせは「医療からはじまる」という視点であります。

これから生まれてこようとする赤ちゃんからお年寄りまで、病気やケガ、万一の事故の際、安心して医療を受けられる環境が今ほど叫ばれ、これほど大切であると感じさせられることはありません。
地域医療を守り、地域医療を再生することは、今の私に課せられた最大の使命であり、命を守る環境を最優先に確保してまいります。

医療崩壊といわれる事態がなぜ引き起こされてしまったのか、最も大きな要因は、「医療制度改革」による新医師臨床研修医制度および診療報酬の引き下げとされているところでありますが、従来からの医師不足・医師の過重労働環境がさらに問題を深くしております。
これら医療制度の抱える問題の一方、いわゆるコンビニ受診や救急車のタクシー代わり利用など、受診者側のモラルの低下についても少なからず影響を及ぼしているとされており、これらはいずれも地方に限らず都市部を含めた全国的な課題であります。
このため、私たちが築こうとする病院が医師や医療従事者が働いてみたいと思える魅力ある病院であるか、住んでみたくなる地域であるか、物心両面からの環境整備・支援体制が地域ぐるみで取り組まれているかなど、医師だけが地域医療を支えるのではなく、地域住民が共に支えるという視点が最も大切であると思っております。
道立紋別病院につきましては、去る4月23日西紋別地域の各町村長とともに北海道知事に協議書を提出し、地域センター病院としての機能の再生を目指し、西紋別地域による広域的な移管に向けた協議を進めているところであります。
北海道および西紋別地域の連携協力の下、地域住民が将来にわたり良質な医療が受けられ、健康で安心な生活を保つことができる地域医療環境を構築するとともに、休日夜間急病センターの設置による初期救急医療体制の整備や医師確保対策などに取り組みながら、一日も早く、安心な医療体制の実現を図ってまいります。

新しく生まれ変わる地域センター病院は、近隣国保病院や民間医療機関などとの役割分担をより明確化し、患者情報の共有化を図るなど、機能分担と双方向の医療を推進し、地域の医療資源を活用して地域の医療力を高める役割を果たしてまいります。

さらに、医療、保健、福祉、介護の各サービスの相互連携を推進するため、重点戦略プロジェクトとして「安心しあわせプラン」構想を掲げ、アドバイザーの設置や連携指針を定めてまいります。
日常的な病気予防や健康づくりから、病後の療養やリハビリ等、日常生活への復帰支援まで、市民がこのまちに生まれ、健やかに育ち、生きがいを持って暮らし続けられるよう、各分野が切れ目ない連携を行う仕組みを構築し、医療等を提供する側、医療や行政サービス等を受ける側、双方がお互いの事情を理解し、協力し合えるまちづくりを全国に発信してまいります。

二つに、地域の活力は「産業からはじまる」という視点であります。

現在、我が国は、戦後最大の世界同時不況、百年に一度の経済・金融危機に直面しており、政府は、この未曾有の難局を乗り越えるため、緊急経済対策、経済危機対策を相次いで発表し、雇用や景気、安心と未来への成長に向けた様々な施策が実行されてきております。
当市におきましても、国や北海道と連携し、緊急性や優先度、地域特性等に配慮し、選択と集中により、最大の効果が得られるよう、緊急対応策および地域の活性化に結びつく施策、未来への投資となる施策を実施してまいります。

本年4月以降、国内外の経済情勢は、景気の底打ち感や、最悪期を脱したとの景気判断が相次いで公表されたところでありますが、金融市場の動向や雇用環境の悪化等のリスクなど、不確実な要素を抱えており、社会経済の構造的変化に柔軟に対応し、安定的な国民生活が保障されうる社会の形成のためには、従来型の輸出に依存した成長軌道への復帰ではなく、「低炭素社会」や「健康長寿社会」の実現に向けた対策が更に重要性を増してくると考えられております。

また、これらに加え、我が国は、世界各国が経験したことのない急激な少子・高齢化の進行あるいは人口減少社会への移行期を迎えており、特に地方においては、『都市圏への人口流出が地域内の需要減と雇用の場の縮小を招き、地方の経済活力を低下させ、さらに人口流出につながっていく』という「人口減少による悪循環」が現れやすいとされております。
未来を見据えた持続可能な日本社会の構築には、地方独自の風土や歴史・文化を育んできた日本の各地域がそれぞれの強み・個性を活かし、「地域力」を発揮していくという視点が不可欠であります。

ご承知のとおり、北海道は、食料自給率200%を誇り、環境と共生する産業の在り方をリードし、自然溢れる大地に暮らす生活文化が根付いているという優位性を持っており、今まさに北海道が、オホーツクが、そして紋別がこれからの日本の希望の大地として、存在価値を有していると私は確信しております。

私たちは、流氷というオホーツク海特有の自然の驚異を身近に触れながら育ち、産・学・官・住民の協働によって長年取り組まれてきた北方圏国際シンポジウムやオホーツクプログラムにより、早くから環境との共生への高い意識が培われ、市民から産業界に至るまで幅広く浸透しております。

全道有数の一次産業、豊かな自然環境、暮らしやすい住環境といったオホーツクならではの地域特性に加え、かけがえのない自然に対する市民意識は、紋別の大きな強みであり、これから日本が進むべき環境共生・低炭素社会の実現を目指すうえで、大きなアドバンテージとなっております。

基幹産業であり、「地域の強み」である農林水産業につきましては、市政担当以来、「産業は、市民の暮らしを支え、まちを牽引していく原動力である」との理念の下、様々な施策を展開し、この4年間で地場産業の振興に一定の道筋がつけられたものと考えておりますが、引き続き、産業基盤の強化、経営体質の安定化に支援するとともに、紋別産品のブランド化の推進と国内外への流通販路の確保・拡充および観光産業等との連携を図るための施策を積極的に展開するなど、更なる振興を図ってまいります。

これら産業の振興にあたっては、さらに地域の強みを発揮させ、日本最大の森林認証エリアにふさわしい環境と産業の融和を基本的な視点とする環境共生産業づくりを目指してまいります。

三つに、地域の強みを「交流からはじめる」という視点であります。

地域の個性を知り、それを強みとしてまちの活性化を進めるにあたり、まだまだ発掘されていない素晴らしい素材や可能性を秘めたものがあるかもしれません。
これら地域の潜在能力や隠された地域資源を見出し、活用するためには、既成概念を排し、多面的な物事の捉え方を醸成していくとともに、外部からのものの見方、感じ方を積極的に受け入れ、新しい視点を養うことが重要であります。
また、人・モノ・情報の交流から、さらにノウハウや知恵の交流へとつなげていくという視点も大切であります。

紋別産品など農林水産業が生み出す豊かな地域資源を組み合せて相乗効果を発揮させ、食の観光に代表される新たな観光の魅力づくりに取り組むほか、オホーツクらしいさわやかで雄大な景観・気候といった特性を生かした文化・スポーツ環境を広く国内外に発信してまいります。
また、多様なニーズや情報提供を積極的に受け取ることのできる体制と誘客宣伝に係わる効率的なシステムづくりを目指し、観光事業の一元的な推進体制の整備を図るとともに、食の観光や体験型観光、広域観光拠点のネットワーク化に取り組むほか、道立広域公園や空港・港湾・道路交通網などを有機的に結び付けた新しい観光プログラムの開発等により、地域の魅力拡大を図ってまいります。

お試し移住などによる移住誘致につきましては、UJIターン事業をはじめ、生涯学習、地域コミュニティ等、生活やライフスタイル関連分野との連携・支援体制の充実を図るほか、スポーツ合宿、音楽合宿を通した人との交流による人材育成、発掘に努めてまいります。

また、温暖化の指標となる流氷や二酸化炭素吸収機能を有する豊かな森林など、地球環境問題におけるこの地域の意義、有用性を積極的に発信し、都会と地方の共存、相互補完を見据えた都市間交流を展開するなど、交流拡大プロジェクトの更なる推進を図り、国内外で、人・モノ・情報等が活発に行き交うまちづくりを推進してまいります。

四つに、人を育くみ「豊かな心を未来につなぐ」という視点であります。

誰一人として、自分ひとりで大きくなった人はおりません。
紋別市を現在のまちに導いた偉大な先達ですら、家族や先輩、教師に教えられ、同僚と切磋琢磨し、後輩に気付かされて成長し、時代ごとに降りかかる大きな苦難を乗り越えてきたのであります。

私たちは、日々の暮らしの中で、それぞれの場面それぞれのライフステージにおいて、その役割も立場も変わっております。
納税者であり行政サービスの受け手である。消費者であり生産者である。親であり子でもある。ときに教育者となり、ときに教え子にもなる。支え手であり、支えられる者でもある。
そして、私たちは、地域の担い手であると同時に次代への引き渡し手であります。
ふるさとを未来に導く人づくりは、私たちの使命であるという視点が大切であります。

まちが未来に向かって持続的に発展するためには、地域資源を有効に活用することが重要であり、安心な医療や産業振興など、それぞれの課題において主体となる資源は、自然や産物、技術、資金等様々ではありますが、いずれの分野においても共通の鍵となる資源は、人材であります。
もとよりまちは人によって創られ、あらゆる社会経済活動は、人の活動であり、家庭、学校、職場、コミュニティ、趣味やレクリエーションなど、あらゆる場を通じ、地域ぐるみで人を育てていくことが未来への投資であり、地域づくりであります。

大きな可能性を秘めた未来を担う子どもたちが社会変化に柔軟に適応し、困難に直面したときに乗り越えられる知識と能力を備えるとともに、助け合い、いたわり合い、支え合う豊かな心を育むことが大切であります。
一人ひとりの個性を生かし、子どもたちの「生きる力」を育む教育を進めるとともに、人口減少社会や国際化、情報技術革新など、急速に進展する社会構造の変化に的確に対応するため、学習環境の整備充実に努めてまいります。
また、あらゆる世代が生涯を通じて、一人ひとりのニーズに応じた自主的な学習活動やスポーツ活動を楽しみ、豊かな市民文化の継承と創造が育まれる環境づくりに努めてまいります。
さらに、市民の生きがいや自己実現につながる活動を支援するとともに、人材の確保と指導者の養成を通して、人を育み、ともに学び合うまちを築いてまいります。
以上、市政執行にあたっての基本的な視点と主要な方向性について、申し上げましたが、1期目に引き続き、残された課題となっております道都大学の跡地利用につきましては、重要な地域資産のひとつであるとの視点から、地域の活性化に結びつく誘致活動を展開し、有効な活用を図ってまいります。
また、中心市街地の活性化につきましては、社会構造の変化や市民ニーズを踏まえた市全体のまちづくりの視点から、新しい中心市街地のあり方を検討し、再生手法の方向性を描いてまいります。

これら各種施策や関連事務事業の着実な遂行にあたっては、市役所の組織能力が市民のために最大限に発揮されていることが必要であり、行政組織の経営責任者として、職員の能力開発・組織改革等を実行してまいります。

市の職員においては、担当職員が机を離れ、現場の実情をつぶさに観察し、市民・企業・各種団体との対話を積極的に重ね、密接に関わりながら、行政施策に反映するなど、現場主義の徹底と職員の市民支援能力の向上を図ってまいります。
また、職員一人ひとりの意識改革や能力の最大発揮に向けて、縦割りの壁を取り払い、上下の風通しを良くするとともに、素早い意思決定が行える手法・仕組みを構築し、行政組織内の情報共有、価値観の共有、意志の共有を図ってまいります。
さらに、市民が問題を発見し、このまちを良くするにはどうしたらよいか、何ができるかなど、互いに知恵を出し合い、啓発し合うことのできる環境づくりに努め、市民参画および市民との協働体制の推進を図ってまいります。
このほか、時代の変化に柔軟に対応するための改善や改革は特別なことではなく、日常的な業務の一つであるとの認識のもと、多様化、高度化する行政需要に対応するため行財政改革を継続し、効果的・効率的かつ安定的な自治体経営に努めるとともに、社会経済構造の変革に適確に対処できる機動性と弾力性を兼ね備えた組織機構の構築を目指してまいります。

また、このたびの地方分権改革では、国と地方の役割分担を見直し、住民に身近な行政に関する企画・決定・実施をできる限り地方自治体に委ねることを基本とし、あわせて機能が適切に発揮できる行財政基盤を確保するため、市町村の合併が推し進められてきたところであります。
平成22年3月の合併特例法の期限切れをもって、「平成の大合併」が収束し、今後は、定住自立圏構想や地域連携、複数市町村による内部組織の共同設置など、新たな広域での地域づくりが進められます。
医療機能やごみ処理をはじめ、観光・交通網など、広域での取組が重要かつ有効である事務事業につきましては、積極的に協議を進め、地域間で支えあう仕組み・絆を深めてまいります。

私の政治信条は、冒頭申し上げましたとおり、「市民本位の市政・公平公正な市政」であります。

地域の社会運営や経済活動を支える出発点は、行政ではなく、市民一人ひとりであるとの認識に立ち、市民の代表である市議会との議論を深め、また、直接市民との対話を重ねながら、市民のために本当に良いことなのか、市民の暮らしに本当に役立つのか、市民が真に求めていることなのか、常に問い続け、なお一層市民本位の市政、公平公正な市政を推し進めてまいります。

私たちの住む紋別は、オホーツクの雄大な自然に恵まれております。
先人達は、この豊かでときに厳しい自然と共生した日々の生活の中から、活力ある産業と潤いあふれる暮らしを生み出し、今日の基礎を築きました。その原動力は、家族や子供たちの暮らしを守り、豊かで幸福な未来を願う人々の思いであり、様々な困難を乗り越えようとする知恵と勇気、創意工夫であります。

私たちは日々の暮らしの中で様々な役割を担っていると申し上げましたが、一人ひとりが、これまでの役割にとらわれることなく、もっとたくさんの役割にチャレンジし、自らの可能性を広げていけるはずであります。

医療課題や経済危機に直面している今こそ、みんなが力を合わせるときであります。

第5次紋別市総合計画における都市像は、「流氷と大地の恵みを活かし 人が輝き躍動するまち もんべつ」であります。
このまちで暮らす市民が自信と希望に満ちあふれ、頼もしく輝いている、そして市民の強い思いで市民に愛されるまちは、紋別を訪れる人々にも魅力ある素晴らしいまちと感じてもらえるはずであります。

私は、市民の皆さんから負託を受けた紋別市の牽引役として、市政運営に共通する思いである「命を守る・人を育てる・人の心を大切にする」ことを胸に、市民の先頭に立ち、市民が未来に希望を持ち、自らが果たすべき役割を見出す、そのような市民起点の希望と感動のまちづくりに全力で取り組んでまいります。

市議会議員の皆さん並びに市民の皆さんのご理解とご協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。

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